①WHAT 「政治」「社会」とは何か? |
「政治」は、古代から存在している知識です。それに対して、「社会学」は学問の中で最も新しい知識です。西洋では、古代ギリシャ時代から「ポリス(都市国家)」同士の権力闘争が始まっていました。ちなみに、英語の「ポリテックス」の語源はここから来ています。
現代文明では、市場経済に参加するために通信手段が発達したことで、情報のやりとりが世界中で行われるようになりました。しかし、国家という仕組みは残ったまま、パスポートを持った外国人が国境を超えて定住するようになっています。
結局、身内同士の協力や市場経済だけでは、政治や社会は成り立たないわけです。つまり、私たちの社会は三権分立(立法・行政・司法)による日常的な介入があってこそ、ようやく国家が成立するということです。 |
②WHY 「なぜ」政治や社会を学ぶのか? |
政治家でも官僚でもない私たち民衆は、なぜ政治について知る必要があるかと言えば、一つ目は「無知から解放されるため」です。知らないことは、決して自由な状態にあるとは言えません。二つ目は、「宿命からの解放」です。
ただ生きているのではなく、自分から働きかけて宿命を運命に変えていくという意味です。最後に、「独裁からの解放」です。知ることで自由になるということは、政治を理解するほど政治から自由になることができるということです。
政治は、国家や自治体だけではなく、大規模な組織や会社、町内会など集団や社会があるところには必ず政治は存在しています。これまで政治と関係ないと思っていたからこそ、さらに政治を理解する必要があります。 |
WHERE WHO 「どこで」「誰と」政治や社会を学べるのか? |
国家の運営や外交、商業や貿易は数千年前から存在していました。しかし、いつの時代も社会の中で家庭内や集落には差別など様々な問題がありました。これらの社会問題は、これまで不都合であったことから誰も解決しようとはしなかったわけです。
こうした世の中から見捨てられた人々がいる中で、当たり前が当たり前であるために、心ある人々の参加と努力で何とか支える必要があることを明らかにするのが社会学です。例えば、誰もができるだけ合理的であるように強制されながら生きています。
しかし、合理的に行動するための十分なスキルがあるとは限りません。皆で協力し合うことで長期的に利益をもたらすことができることを知っていても、人によっては「今だけ、カネだけ、自分だけ」を優先することがあります。また、相手を信用できずに裏切ることもあります。 |
④WHEN 「いつ」政治や社会を学び始めるのか? |
いつでも学び始めることができますが、人々が協力し合うにはお互いの合理性を信じ合う以外の理解が必要です。社会では、習慣や伝統、信仰など必ずしも合理的とは言えない理解があってはじめて成立しています。
政府や大企業など組織を批判してフォロワーを集めても、結局、何も成し遂げられない人物ばかりしかいない現代では、大事なことが見えなくなっています。だからこそ、もう一度社会を見つめ直し、知識や知恵で立て直すことが政治や社会学を学ぶ目的となります。 |
⑤HOW 「どのように」政治や社会を学ぶのか? |
日々、民衆として生活している私たちが、政治や社会について考えることは難しいため、まず政治学や社会学を学ぶのではなく、政治や社会そのものについて考え直す入門書を読む必要があります。実は、政治についての議論というのは古くて新しいものです。
また、政治や社会を見つめ直すための入門として、わかりにくい部分を真正面から取り上げている教科書を読む必要があります。さらに、「今、起きている本当のこと」を明らかにするために、様々な分析方法と思考方法を学ぶことも大切です。
ソクラテスやマルクスなど、昔の思想家の考えなど知らなくても政治はできますが、知らないでいれたとしてもいつか必ず影響が及ぼされる時が来ます。今、アメリカで起きていることが世界で日本人だけが免れることはありません。
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