善人だけが集まっても、必ずしも善い組織ができるわけではないことは誰もが知っていることです。例えば、会社が人材を募集する場合、社長や人事担当者は主観的な基準で善い人を採用しようとする傾向があります。
ところが、ほとんどの場合、採用した人材が理想とは違うと感じてしまうわけです。彼/彼女は、その会社に採用されたにも関わらず、「会社が得するには、私が損しなければならない…」という「認知バイアス」にかかっています。
例えば、高すぎる公務員の給料や生活保護の不正受給などを批判する人間は、完全に認知バイアスにかかっていると考えられます。なぜかと言えば、公務員の給料を下げても民間企業では働く社員の給料が上がらないからです。
むしろ経済全体の消費が下がり、景気を冷やしてしまうので多くの人の所得が下がることになります。このような仕組みは、政府とマスメディアが「コロナ騒ぎ」を起こした2020年に証明されています。
私たちが経済学を学ぶ理由は、こうした直感が当てにならない事態を理解するための知識が詰まっているからです。実際に、経済学の入門書を見ると認知バイアスを度外視して分析されています。
つまり、「誰かが得するには、誰かが損しなければならない…」という前提を、打ち破るために生まれたのが経済学であり、そうした事態を分析できるようになるために学ぶ必要があるということです。 |