学習こそが「正しさ」を生み出しますが、逆にそこから外れた行為を行う者たちが組織的な怒りをもたらすメカニズムは、生物学的には誰でも持っているということです。なぜかと言えば、このメカニズムは宗教と無関係な場面でも起きるからです。
町内会から企業、政府までそれぞれ正しい信仰心を持っている人が複数いる場合、そこから逸脱する人間は怒りを向けられることがあります。つまり、こうして組織体制が維持されるということです。信仰心の観点から組織を見ると、合理的な見方だけで理解できない人間たちの行動を知ることができ、予測することもできるようになります。
つまり、どれほど合理的な組織であっても、社会は信仰と不信仰が引き起こす怒りによって成立しているということです。現在、価値観の相違によって組織内での紛争は後を絶たず、善悪の問題は冷静に対処することが困難となっています。
しかし、異なる善悪を感じても紛争を解きほぐし、正解がない中でできるだけ問題解決をするためには、信仰心は今後ますます重要なものとなります。 |