DO YOU SPEAK ATLAS?|第17話

デクスターとのマンツーマンレッスンが始まり、由起夫君はこう切り出した。

「昨夜、僕は素晴らしいひと時を過ごした」

そこで、デクスターが尋ねた。

「どこにいったの」

「歌舞伎町。知ってるかな?」

デクスターは知らないと言った。彼は日本に住んで2年ほどである。

「歌舞伎町は東京の新宿にあって、ととえも危険な場所なんだ」

由起夫君は、ほくそ笑みながら、楽しかった出来事を思い出しているようだった。彼は、どうやら、バーで一晩飲み明かしたらしい。

「普段は高い店なんだけど、店長のおごりで、無料でサービスされたんだ」

しかし由起夫君は本当に楽しそうに話すので、何故かあまり嫌味がなかった。

「歌舞伎町は危ない場所なんだよね」

由起夫君は満足そうに言葉を続ける。しかし具体的にどんなサービスだったのか言わないので、ますます会話が盛り上がってきた。

「今度また行こうと思うんだけどデクスターも一緒にどう?」

「でも高い料金をとられるんじゃないの?」

「いや、無料だったんだ」

「だtら、今度同じ店に行ったら、前回無料だった分、高くつくんじゃないの?」

「あ、そうかも」

デクスターに指摘され、由起夫君はみるみる悲しげな表情になった。デクスターは大声で笑った。

そうこう話しているうちにデクスターは、由起夫君に「ユキオは、どんなタイプの女性が好みなの?」と質問した。しかし、由起夫君の応えは実にぞんざいなものであった。

「僕は好きだとか嫌いだとかいうことには、興味がないんだ。どうでもいいや」

どうやら彼は、ステファニーにふられたことが尾を引いていたようである。しかし、それを聞いたデクスターは、しばし黙ってしまった。

レッスンも終わり、帰り際にデクスターが言った。

「ユキオの話は面白かったが、最後の方はあまりよくなかったようだ」


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