DO YOU SPEAK ATLAS?|第3話

?由起夫君が入学したのは4月である。

当時彼は他の英会話スクールにも無料体験レッスンに行ったが100回分30万円のレッスン料を一括払いするようなことはできなかった。

だからこの毎回払いのマンツーマンスクールにしたのである。決して裕福ではない彼がこの学校を選んだのは賢明といえる。

事実、彼には借金はなかったが、留学の夢を全く捨てていたわけではなかった。入会する前の半年間、仕事で稼いだお金を貯蓄に回し、学費を捻出しようと企てていたのである。そのかいもあって、彼は入会金44,800円を払えたが、残りのお金も結構あったのか、受付の人の前で、事業者気取りで契約した。

彼に残された道は、まじめにマンツーマンレッスンを受けて、英会話の上達を目指すことだけである。

1週間後のレッスン2回目。担当講師のステファニーが現れた。

1「ジェームスはタクシーの運転手です」

2「彼は28歳です」

3「週に5日間働きます」

何でもない、ありきたりの会話なのだが、美人のアメリカ人女性に教わることができたためか、彼の瞳は心なしか潤んでいるようであった。

60分のレッスンが終わると、講師は、

「スィー・ユーとか(また会いましょう)」

と言ってレッスンブースを出た。友人との別れ際に、グッバイと言うのと、スィー・ユーと言うのとでは印象がまるで違う。こうした細かな心使いだけでも、人のウンというものは大分変わってくるものらしい。

由起夫君は、一方でTOEICTOEFLいう英語のテストを、以前に一度だけ受けていた。

TOEICTOEFLを受けていたが、TOEFLとは、英米などの海外の大学に入学する生徒が受けなければならないテストのことである。アメリカの大学であれば、TOEFL500点を超えることが一応の目安になっている。彼の初回のTOEFLスコアは散々であった。

あと200点スコアアップしなければ、入学の許可はおりないと付け加えれば、賢明な皆様は彼のスコアが何点であるのか推測することができるであろう。

彼は失望したが、ここで諦めてしまっては元も子もない。いずれにしろ、独学で語学を成就することは難しいと悟ったのであった。彼が再び奮起すべく、Atlasマンツーマン英会話に入会したのは、先ほど述べた通りである。


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