中国ビジネスコラム

今後数年間、中国人観光客が「爆買い」せざるを得ない事情!

 

「中国製品が国民の高い質の生活ニーズを満たすことができていない」。兪正声・人民政治協商会議主席が「爆買い」について言及しました。中国人の爆買いが猛威を振るうようになったのは2015年6月からのことです。短期間で日本が大好きになってしまったのでしょう。高い質の生活ニーズを満たす商品が安価であふれていることの他に、日本の「おもてなし」の社会に衝撃を受けたことも疑いありません。

誰に対しても差別のない親切さ、ぼったくりをしない誠実な接客態度などは中国ではまずお目にかかれない心地よさです。空気は澄み、街とトイレはとてつもなく清潔。常に自己主張と交渉の戦闘モードで暮らしている中国人からすれば、こんな調和のとれた世界があったのか、という新鮮な驚きだったようです。

ということで工業製品の品質管理、環境とサービス、つまりハード、ソフトとも日本の圧勝なのです。彼らは本音のところ、当面「爆買い」にすがるしかない、と中国製品をあきらめているのではないでしょうか。

このチャンスを逃す手はありません。銀聯(ぎんれん)カードへの加盟方法や中国人観光客の購買心理、集客や接客のツボ、そして一番大事な接客中国語の実例ヒント集まで、日本にいながら中国人富裕層への接客ノウハウを教えます。

 

まえがき

まえがき 「爆買い」せざるをえない事情

 

「中国製品が国民の高い質の生活ニーズを満たすことができていない」。兪正声・人民政治協商会議主席が「爆買い」について言及しました。同氏は「チャイナ7」と呼ばれる7人の政治局常務委員の一人です。ついに最高幹部間でも言葉の端にのぼるようになった「爆買い」。中国側の事情から探ってみましょう。

中国製品の品質向上に対する取り組みはどうなっているのでしょうか。命に関わる食料品のケースを見てみましょう。沿海部の某大都市では、数年前から食品・医薬品110番を設置して、市民からの情報、通報を受付けています。

違反摘発につながる通報も多く、成果は上がっているようです。市内バスの側面広告にも「中国・向上、衛生都市建設○○市」と掲げPRに余念がありません。同市の食品・医薬品局では、四半期ごとに店頭抜き取り検査を実施しています。

ところが結果はかなりひどいものでした。145の抽出サンプル中、12もの不合格品が出ました。それも海産物、ミネラルウォ―ター、鶏卵加工品、パン、食用油、酒類と広範囲にわたり、基準値の6倍~50倍の異常値が検出されたものもあったようです。不合格率は8.97%に及び、第2四半期の2.3%から大幅に悪化し、商品回収命令、工場立入検査、罰金などの行政処分を科されますが、何とも恐ろしい数字です。中国製品の品質管理は一進一退を繰り返しています。


また、日本や欧米企業のデザインを盗まれ、低価格の類似品があちこちから出回ることについて、一部にせよそれほど高い能力がありながら、なぜまっとうな商売をしようとしないのでしょうか。それは、企業はゴーイングコンサーン(企業は継続するという前提)という考えが欠けていることに起因しています。創業経営者は儲からなくなれば、すぐに業種の転換を図ります。すばやく立ち回って短期で稼ぐ。転廃業を繰り返しているうちに、最後には不動産で食べていけるようになっていた。中小企業レベルではこうしたパターンが非常に多いのです。いちいちプロの品質管理者など育成していません。こうした生産現場のすそ野の内情は、中国人でもわかる人にはよくわかっているようです。従って自国製品に対する信頼度はいつまでも低空にとどまり、とても「高い質の生活ニーズ」を満たせていないのです。

外旅行への意欲が高まる一世帯年収20万元以上の「中国人富裕層」は約1億人いると言われています。これからも中国の経済成長にともない、中国人の訪日と日本人の中国への渡航が活発になるのは間違いないと言われています。

Atlasでは、中国人の観光客向けに、私たちがどんなマンツーマンレッスンを提供し、そしてお客様が対応できるかといった視点で運営されています。基本的にビジネスが活発になれば、日本と中国の交流も自然に深まるのですから、アジア全体の経済圏ももっと拡大し、結果的に日本も中国も今より豊かになるはずです。そんな関係を築くためにも私たち日本人はまず中国人の嗜好、文化、言葉を知る必要があります。その先にきっと無限のビジネスチャンスが待っていることでしょう。

観光客かビジネス客か、団体客か個人客か…

観光客かビジネス客か、団体客か個人客か… 旅行スタイルによって違う買い物!

 

中国人観光客がよく現れる化粧品コーナーや薬局などの現場でよく言われることですが、中国ほど「平均」とか「普通」というような考え方が意味をなさない国はありません。富裕層といっても、階層による差が大きく、データ化しても現実が見えてこないからです。

それでも一つの目安になるものが、日本政府観光局が実施している「訪日外客消費動向調査」です。日本滞在中の飲食・交通・おみやげなどの消費額の平均値を国別にデータ化したもので、各国の平均11万円に比べて、中国人は13万円と平均を2万円ほど上回っています。

特におみやげは、中国がトップで一人当たりの約8万円です。しかし中国人観光客の旅行予算の実態についてはまちまちで、直接当人に聞くしかない面もあります。弊社で勤務している中国人スタッフや中国語講師たちに聞いたアンケートですが、中国人はよく見栄を張るといいますから、その影響もあるでしょが、買い物予算は軽く2・3倍超えるというのです。なぜ中国人は、そんなにお金をつかうのでしょうか。

実は中国人全員が、テレビでよく見る家電量販店での「オトナ買い」をしているわけではありません。百貨店や家電量販店を訪れる中には、団体ツアー客だけではなく、親族や知人訪問、個人ビザ、ビジネスビザなどの個人客も含まれているのです。団体客は初来日がほとんどですが、後者は来日回数の多いリピーターです。時間の制約がある旅行スケジュールの合間に、大量の義理みやげを親戚や友達のために買い漁る団体ツアー客と、自分のためにゆっくり買い物ができる個人客とでは、買い物の内容も当然違ってくるのです。

来日の形態から、ショッピングの志向の違いをまず考えておく必要があるのです。

中国語を学んで人間関係作りのきっかけづくり

「銀聯(ぎんれん)カード」の平均利用額は、日本のクレジットカードの約3倍以上!

 

銀聯カードとは、中国の中央銀行・中国人民銀行が中心となって設立した銀行間決済ネットワークの運営会社「銀聯」が発行するカードです。預金残高の範囲ならばいくらでも決済可能なキャッシュカードのことです。2010年時点での発行枚数は20億枚にも達しています。中国人の一人に1.5枚を持っている計算になります。利用者17億人のVISAを退けて世界一の発行枚数です。

その銀聯カードを使える加盟店数は、中国国内で約120万店舗、香港・マカオを含めた海外では約50万店舗を数えます。日本では、三井住友カードが2005年に銀聯カード加盟店業務に関する提携をしました。日本国内の加盟店舗数は1万5,000店舗です。
1件あたりの平均利用額は約3万円で、日本人のクレジットカード平均利用額約1万円を大きく引き離しています。利用場所別に細かく見てみると、百貨店では3万5,000円、家電量販店ですと5万円です。

時間が限られている団体ツアー客は、いかに効率良く買い物をさせてあげるかが大切!

時間が限られている団体ツアー客は、いかに効率良く買い物をさせてあげるかが大切!

 

三井住友カードの資料によると、銀聯カード1件の平均利用額は、1位:家電店 2位:百貨店 3位:ブランドショップ(ファッション、アクセサリー)4位:ドラッグストア 5位:空港となっています。この順位には、中国人観光客のタイ多数を占める団体ツアー客の消費行動が大きく影響しているようなのです。中国人通訳やガイドは、団体ツアーの場合、札幌では札幌駅や大通駅近くのショッピングエリアでツアーバスから下り、決められた集合時間まで、各店舗で自由に買い物を楽しんでいます。彼らの持ち時間は1時間ほどで、限られた時間で有効に買い物をしようということですから、ほとんどの人はビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店や大丸、三越などの百貨店に向かいます。じっくり商品を見る時間がないため、信用できるお店で、高額商品をまとめて購買する人が多いようです。

同じように、名古屋の栄駅周辺や大阪の大阪駅や梅田駅周辺の効率良くショッピングが楽しめるところが人気があるようです。また、日本人が好きなアウトレットも、最近ツアーに組み込まれるケースが多くなっています。最終日に新千歳空港へ向かう途中に位置する、北広島市にある三井アウトレットパークなどです。多数のブランドが1か所にあるので、効率良く買い物ができるととても評判がいいようです。

そして、ショッピング時間が限られている団体ツアー客は、空港で出国手続きをした後、飛行機に搭乗するまでの時間さえ無駄にしません。空港内の免税店でウイスキーやワインなどの洋酒を大量に買います。化粧品や時計などは日本ブランドよりも海外ブランドも方が人気があります。

時間の限られた中国人観光客を集客するには、効率良く買い物ができる状況を作ってあげることが大事です。大型店舗からお店の場所が近いことをPRしたり、周囲の店舗と一緒になって中国語の勉強や接客方法を練習できれば、彼らが足を運んでくれる可能性は十分にあるのです。

ビックカメラとヨドバシカメラなど家電量販店で聞いた「大量買い」中国人の攻略方法!

ビックカメラとヨドバシカメラなど家電量販店で聞いた「大量買い」中国人の攻略方法!

 

中国人観光客の訪日動機の第一位はショッピングで51%で、全外国人中、ショッピングを旅行の目的にしている比率が、最も高くなっています。では、中国人観光客は日本で何を買いたいのでしょうか?それを知りたくてAtlasの札幌駅前ランゲージスペース近くにある家電量販店に行ってきました。

来店する外国人の半数以上は中国人で個人客も多い様子です。特にカメラコーナーの一眼レフのデジタルカメラが人気のようです。数百万もするカメラを買う中国人もいました。人気はデジカメやDVD、ブルーレイ、化粧品、時計、ブランドバッグなど、意外なのは炊飯器。彼らは銀聯カードを持っていて、ビックカメラでもヨドバシカメラでも銀聯カード利用者5%のディスカウントを適用していることです。

来店する中国人観光客には、団体客と個人客のタイプがあります。団体客は初来日の人たちで、個人客は日本通なリピーターが中心です。両者で買い方やニーズが違うので、売り方も変えるべきなのです。団体客には基本的な中国語も必要になってきます。ほとんどの中国人は英語をまったく話せません。具体的な攻略方法は、団体ツアー客が好きな商品のお土産アイテムを中国語で分かりやすく説明できることです。どんなツアーにもリーダー格の人物がいて、その人が買えばつられてみんな買い始める、ということもよく起きるようです。

ツアー客が来たらまずはリーダー格を見つけて攻略せよと、中国人スタッフが教えてくれました。一方、個人客はインターネットを駆使して、事前に気になる商品の日本と中国の料金比較は済ませて来店します。彼らは、最新製品がいつ出るのかなど、わざわざ日本で買う合理的な理由を必要とする消費者だということを、頭に入れておく必要があるでしょう。

こうした傾向は家電量販店だけではなく、百貨店やドラッグストアでも見られるようです。

深夜営業のドン・キホーテから100円ショップまで。意外な大量買い店舗とは?

深夜営業のドン・キホーテから100円ショップまで。意外な大量買い店舗とは?

 

中国人観光客の大量買いは、家電やブランド品に限っているわけではありません。百貨店に引けを取らない人気の買い物スポットがドラッグストア(薬屋)です。

個人観光客の場合、ドラッグストアでの買い物は、旅行最終日に、そのための時間を日程に組み入れている人も多いくらいです。団体ツアー客の中にも、買い物の時間が1時間しかないのに数店立ち寄る人もいるくらいです。実は、中国人観光客が購入する点数が一番多いのはドラッグストアなのです。

夜もショッピングを楽しみたい旅行者や、昼間はショッピングができないビジネス訪問客には、深夜営業しているドン・キホーテなどのディスカウントショップや、100円ショップが人気なのです。宿泊ホテル近くにあるコンビニも、団体ツアー客が毎朝毎晩利用するので、それだけで、まとまった額の売上になるのです。

また、観光地のおみやげ店は、見学に訪れた「証拠品」を購入したり、テレビ局のキャラクターショップでは中国国内で放送されたアニメグッズを大量に購入する人も多いようです。

大人気のツアーは東京→横浜→名古屋→京都→神戸→大阪ルート。リピーターは北海道札幌などの地方に!

大人気のツアーは東京→横浜→名古屋→京都→神戸→大阪ルート。リピーターは北海道のニセコ・札幌・旭川などの地方に!

 

個人観光ビザが解禁されたとはいえ、数の上では団体ツアーが大半を占めています。では中国では、どんなツアーが販売されているのでしょう。

まず、現在の中国人観光客のほとんどが参加しているのが東海道ルートです。富士山から温泉、買い物まで中国人がイメージする日本の魅力をほぼ網羅した定番ルートです。

羽田空港と関西国際空港を利用し、東京・大阪のどちらかが出発点となります。また箱根で温泉につかり、名古屋ではトヨタの自動車博物館を見学します。京都では神仏仏閣を見ることが目的です。こんなふうにずいぶん盛りだくさんの内容となっています。

最近人気の出始めた北海道ツアーですが、北海道を舞台にした中国映画のヒットで、2009年に入ってから、中国人観光客が札幌、小樽、ニセコ、旭川と道東方面に急増しています。これまで東京オンリー以外のツアー成功例がなかなか出て来なかったのですが、北海道ツアーのヒットは、中国人観光客の受け入れに力を入れている全国の自治体関係者を勇気づけるものとなりました。

以上のツアーに、それ以外の訪問地を加える商品も徐々に出てきているのです。

北海道を舞台にした中国映画が大ヒット!ロケ地観光に参加する中国人。自由に世界を旅する主人公の姿に中国人の自尊心が満たされた!

北海道を舞台にした中国映画が大ヒット!ロケ地観光に参加する中国人。自由に世界を旅する主人公の姿に中国人の自尊心が満たされた!

 

2009年、中国人が一番行きたい観光地は北海道となりました。2008年末に中国国内で大ヒットした映画「非誠勿擾(誠実なお付き合いができる方のみ)日本語タイトル『狙った恋の落とし方。』」(馬小剛監督)http://nerakoi.com/ が北海道で撮影されたことから、映画を観た中国人観光客が、ツアーで大挙して訪れました。また、映画公開後19日間で興行収入が3億元(約41億円)を突破し、これまで中国で正月映画最大のヒット作だった2006年の『王妃の紋章』の2億9800万元(約40億7000万円)を抜き、歴代興行成績1位を記録したのです。

阿寒湖は同映画のロケ地のひとつで、中国からのツアーは映画の舞台となった北海道東部の温泉旅館や居酒屋、観光スポットを巡るものになっています。観光市場の長期低迷に苦しむ北海道にとって、中国からの観光客の来訪は、地域再生のための期待の星と映ったのは無理もないでしょう。この映画の主な舞台が東北海道の釧路、阿寒湖、網走、厚岸、斜里、美幌であり、中国に再び北海道観光ブームを巻き起こすことになったのです。

同映画はアメリカ帰りの中国人中年男性と若いキャビンアテンダントの婚前旅行を描いたラブコメディ。男性の紹介で日本在住の中国人が案内役となり、3人で道東各地をドライブ旅行するロードムービーでもあります。

映画のヒットが中国人の北海道旅行に火をつけた理由はいくつかあります。まず、北海道の風景を見て中国人の日本のイメージが変わったことです。日本のどこに行っても先進工業国だと思っていましたが、こんなに美しい自然が豊かだったのかという驚きなのです。主人公たちが旅の途中で出会う北海道の人々の素朴な交流が好感を持たれたこともあります。毎晩のように中国で放映される抗日ドラマの日本軍人とはまったく違う素朴な人たちだからなのです。

中国人がする海外旅行とは、団体ツアーばかりで制限が多いのがほとんどでしたが、この映画ではカネに糸目をつけずに高級旅館に泊まったり、郷土料理を食べ、地元の人々と交流する。まるで外国人のような主人公の姿が、中国人の自尊心を大いに満足させたのです。

これまで北海道では、札幌、小樽、函館など映画やドラマの舞台に国内のみならず韓国や台湾、香港など東アジアの観光客を呼び込んできた実績がありましたが、ロケ地効果は、エリア外の人たちが勝手に魅力を見つけてきてくれるわけですから、地元としては願ってもいない話なのです。
中国人の頭に、北海道の美しい映像がしっかり刻まれたことは確か。しかし、それはきっかけでこれからの北海道観光は国際競争力が問われてくるはずです。北海道の観光魅力と競争する他県と他国はどこなのか、きちんと理解し、英語はもちろん、中国語や韓国語を学び情報を発信していかなければこの北海道観光ブームはすぐに終わってしまうのです。なぜなら、ヨーロッパやアメリカなどが舞台の映画が撮られ、人気を奪われる日がすぐにでも来るからです。アジア市場は、今のうちから日本の内需にしていくべきなのです。

家電量販店でデジカメ、腕時計、健康医療器具が売れる人気のワケとは?

家電量販店でデジカメ、腕時計、健康医療器具が売れる人気のワケとは?

 

銀聯(ギンレン)カードの1件あたりの平均利用額が約5万円と、中国人観光客にとって特に高価な買い物をすることが多いのが家電店。ビックカメラ札幌店とヨドバシカメラ札幌店によると、1ヶ月間で銀聯カードによって、支払われた総額は全店舗で3億円を超えたといいます。では中国人観光客は、どんな電化製品を買うのでしょうか。この2つの家電量販店が発表した中国人観光客への売れ筋ランキングは、デジタルカメラが1位でブランドはソニー、キャノンです。札幌の家電量販店で、中国語対応スタッフとして仕事する中国人社員はこの理由を語ってくれました。

「中国人には、日本と聞いてまず思い浮かべるブランドはソニーです。知名度とブランド力、メニューを中国語で表示できることや、中国国内でも日本と同じアフターサービスを受けられるのが、人気の秘密です。また最新モデルが次々に開発され、中国市場よりも先に日本で発売されるソニー製品を買って帰国すれば、友人に自慢できるでしょう。これも購買の大きなポイントといえます」

デジタルカメラ以外では、血圧計や磁気ネックレス、万歩計など安心の日本製品が選ばれています。腕時計も1万円前後のカシオやセイコー、シチズンがおみやげ用として人気です。またブランドバッグも人気で日本でも人気の高いグッチやシャネルなどヨーロッパブランドがよく買われています。

一方、実用性を一切考えずに見栄のため買い物をしていく中国人観光客がいるのも事実です。

「ほとんどは日本語が分からないお客さんですが、日本語で書いてあるキーボードやOSは自慢できるからとノート型パソコンを買っていく中国人観光客もいます。最新の薄型液晶テレビを購入された方は、中国では番組を受信できないと知っているのに持ち帰って自慢できるということだけで郵送費10万円以上を払っていかれました。中国人観光客が、日本製電化製品に求める魅力のうちのひとつということかもしれません。

日本に旅行に来ても高級ファッションブランド好きな中国人観光客!

日本に旅行に来ても高級ファッションブランド好きな中国人観光客!

 

2010年の高級ブランド中国国内年間販売額は日本を抜いて世界第一位になりました。ブランド品への関心の高さは、日本に旅行に来る中国人観光客の間では、さらに特徴があります。

1度に200万~1,000万円の買い物をしていく方も少なくないといいます。ところで、中国人はどんなブランド品を好んでいるのでしょうか。中国人富裕層を対象にしたブランド嗜好調査によると、ファッションブランドとしてはグッチ、シャネル、バーバリー、クリスチャン・ディオール、アルマーニ、ルイ・ヴィトンなどヨーロッパブランドで独占されています。

時計もロレックス、オメガが人気で、日本ブランドのセイコー、シチズンは4、5位となっています。宝石類では、1位は香港ブランドの周大福、周生生、六福、カルティエ、ティファニーの順です。スポーツウェアでは、ナイキ、アディダス、プーマ、中国ブランドの李寧の順になっています。

日本だけではなく、海外旅行に出かける中国人観光客のほとんどは、高級ブランド品を購入しているそうです。海外で高級ブランド品を購入する理由として、「海外の方が安い」「ニセモノがないので安心して買える」と答えています。中国人観光客をターゲットに考えるのなら、中国で人気があり、しかも中国よりも安く買えるブランドという商品やサービスに絞込みが出来そうです。もちろんその説明を中国語で出来なければ信用が得られないでしょう。

中国でも買える日本ブランドの化粧品をなぜ日本で大人買い?

中国でも買える日本ブランドの化粧品をなぜ日本で大人買い?

 

近年、美容の意識が急激に高まっている中国人女性。人気おみやげランキングの第一位が化粧品です。

では、注目度の高い化粧品の中でも人気のあるブランドは何でしょう。大丸札幌店の方に聞いてみました。

「大丸では、中国からのお客様が多く立ち寄られるのが1階の化粧品コーナーです。なかでも一番人気は資生堂です。あらかじめ決めてきた商品をお買い求められることが多いようです」

80年代中盤に、日本の化粧品の中でもいち早く中国に進出した資生堂は、中国全土に5,000店の店舗を持ち、市場シェアでも第二位となっています。

わざわざ中国でも買える商品を日本で買う理由については、人気が高いだけに中国国内でニセモノが多く出回っているので、ニセモノがない日本で安心して購入できると思っているのではないでしょうか。

中国では、資生堂の他にもカネボウ、ファンケル、コーセーといえば、ぜいたく品として思われている一流ブランドです。しかし、中国人にとっては安心感と割安感があるといいます。日本で化粧品売り場に向かう中国人観光客には、日本でしか買えない商品を求めているのではなく、中国でなじみのある日本ブランドを、お得に安心して買いたいという傾向があるようです。そこで一層、中国語できちんと商品説明できる必要があるのかもしれません。

ドラッグストアの意外な売れ筋商品は日本の漢方薬?

ドラッグストアの意外な売れ筋商品は日本の漢方薬?

 

家電量販店、百貨店についで、中国人観光客の主要ショッピングスポットのひとつがドラッグストアです。札幌の中心街では、中国語によるポップや商品説明を中国語で行っているところも増えてきています。

また、マツモトキヨシ、ドン・キホーテでは、店内の中国語アナウンスと銀聯カード(ギンレン)の取り扱いを本格化させています。ドラッグストア業界でも、中国人観光客をターゲットにした中国語講師によるマンツーマン中国語講座が接客研修などの取り組みがはじまっています。

ところで、どのような商品が売れているのでしょうか。まずは化粧品、健康磁気ネックレス、電動歯ブラシ、そしてキャベジンや大正漢方胃腸薬などの胃薬、バファリン、ルル、コンタックなどの風邪薬などが売れているようです。

驚くことに、ツムラの葛根湯のような日本ブランドの漢方薬が売れているのです。漢方薬といえば中国が本場では?と思うのですが、日本製ということが人気の秘訣のようなのです。

ここ数年、ニセ薬やメラニン入りミルクなど中国国内で死亡事故が頻発しているのですから、医療健康関連の製品に対して敏感になっているのは言うまでもありません。人体に直接影響を及ぼす医薬品や健康食品だけは、日本でできるだけたくさん購入しておきたいと考える中国人観光客が多いのです。さらに品質の高い日本製品は中国で売られている製品と比べると人気があるのもうなずけます。

日本のドラッグストアへの中国人観光客が寄せる信頼が、業界に一定の経済効果をもたらしているのです。普段、日本人が気にもとめない商品でさえ、信頼と安心を求めて中国人が買い求めているのです。

団体ツアー客は中堅の旅行会社にPRしよう!個人客にはホームページから積極的にPR!

団体ツアー客は中堅の旅行会社にPRしよう!個人客にはホームページから積極的にPR!

 

観光地やお店に中国人観光客を呼び込むには、いくつかの方法があります。団体ツアーの場合は、ルート決定は販売する中国の旅行会社。オペレートするのは日本国内の旅行手配業者です。

自治体や商店街などを旅の目的地にしたい場合、決定権を持つ旅行会社に売り込む必要性があります。中国に出向いて中国語でプレゼンをやらなければならず、どうしても通訳者を通すと意思疎通が難しく前に進んでいきません。
中国政府は、日本企業にも中国国内での海外旅行業務を開放する検討を始めています。実現すれば、日本の旅行会社が中国でツアー商品を販売できるので、団体ツアーを誘致したい自治体や企業にとっては、大きなチャンスとなりそうです。

一方、個人の観光客の集客についてですが、売り込み相手もマンツーマン(個人)となります。当局の監視下にある中国本土では、テレビや雑誌などの出版物はもともと人々のマスコミに対する信用度が高くなく、旅行情報番組や旅行雑誌などで、観光地やお店が取り上げられて注目させたところで、視聴者や読者はまったく信用していません。ではどうして旅行情報や商品情報を収集するのかといえば、やはりインターネットなのです。中国語のホームページを立ち上げることは、大いに効果があるのです。ブログや掲示板、FacebookなどのSMSも有効なやり方です。中国のネット社会は、個人情報保護の概念が薄く、匿名性が低いので、ブログやSMSなどの書き込みも、信憑性のある情報として利用されています。

中国人観光客のリピーター率が日本で上昇する中で、インターネット上の口コミこそが、最大のPRツールになるのです。

中国人観光客の情報や接客方法、中国語学習からビジネス上の専門アドバイスまで!

中国人観光客の情報や接客方法、中国語学習からビジネス上の専門アドバイスまで!

 

中国人観光客を呼び込むPR方法を説明しましたが、では、「中国語での接客ノウハウがほしい」といったような場合、どうすればいいのでしょうか。そんな悩みや要望があれば、Atlasマンツーマン中国語に問い合わせてみるといいでしょう。

Atlasのニーハオ☆中国沙龍では、中国人観光客と日本で働く皆様の橋渡しを担うため中国語サロンを開設しました。さらに、PR・広報活動の支援や、中国に関連したセミナーの企画運営なども行っております。

2008年に国土交通局の外局として新設された観光庁では、「観光地域づくり相談窓口」を開設しました。中国人観光客誘致を目指す地域向けに、関連施設の紹介や関係者への仲介などのワンストップ的な役割をAtlasが担っています。

中国人観光客をターゲットとする企業や自治体に対しても、多角的な支援を行っています。こうした専門性を必要に応じて利用していただいて、できるだけ多くの中国人観光客に、日本の真の魅力をアピールしていきたいのです。

  • Atlasマンツーマン英会話 中国語コース http://chinese.gatlas.net
  • eAtlasオンライン中国語コース http://atlase.net/lesson_china.html
  • 日本政府観光局 http://www.jnto.go.jp/jpn
  • 全日本都市観光連盟 http://toshi.nihon-kankou.or.jp
  • 日本中国語検定協会 http://www.chuken.gr.jp
  • 日中経済貿易センター http://www.japanchina.jp
  • 日中経済協会 http://www.jc-web.or.jp
店頭での商談は筆談より口頭コミュニケーション!中国人独特の自尊心を理解してあげること!

店頭での商談は筆談より口頭コミュニケーション!中国人独特の自尊心を理解してあげること!

 

中国人観光客を受け入れようというお店はどのようにコミュニケーションを図ればいいのでしょうか。

中国人観光客にとって、漢字を使う日本はさぞかし観光しやすい国かと思いがちですが、中国は簡体字の国なのです。初来日した中国人には日本語の漢字がまったくわかりません。

では、中国人観光客の語学力はどの程度なのでしょうか。ここで団体客(90%)と個人客(10%)の違いが出てきます。基本的には団体客は英語も日本語も話せません。一方、個人客はたいてい日本語か英語を話せたりします。カタコトでも日本語か英語を話せるケースが多いようです。なぜなら個人客には日本と中国のビジネスに関わっている人だからです。英語はやはりよほどのエリートで米国留学帰りの中国人くらいしか流暢に話せません。

もう少し前に踏み込み、言葉とそれ以上のコミュニケーションを考えた場合、中国人の自尊心をどう扱うかということに、少し気を使う必要が出てきたようです。自分たちは海外(日本)から馬鹿にされているんじゃないかという新興国独特のメンタリティーから、ちょっとした対応の不手際に怒りを爆発させるような人もいますから中国語と中国人への理解が大切なのです。

安易な中国語訳のポップ貼紙はまずい!中国人に受け入れられる中国語ポップは?

安易な中国語訳のポップ貼紙はまずい!中国人に受け入れられる中国語ポップは?

 

集客や販売促進のために利用される、店頭のポップ広告や配布用のパンフレット。中国人観光客をターゲットにするなら、ネイティブが使う中国語で正しく表現していく必要があります。日本語と中国語の漢字の意味は違いますので当然のことです。

しかし、日本の街中に正しい中国語の文字(中文)があれば、中国人の目をひくのは確かなはずです。中国人観光客には高学歴のエリートが多いので、ブランドイメージを最重要視しているのです。そこでおかしな中国語表現では、逆効果になってしまうこともあります。日本人が海外に行って変な日本語入りのTシャツを着た人を見つけたときと同じ心境なのです。

一流企業や自治体が作成したものも含めて、中国人観光客をターゲットにしたポップやパンフレットなどは、インターネット上の無料翻訳サイトで作ったような、でたらめな中国語が多すぎるのです。特にお客さまに対して失礼に当たる命令調の表現や、下品な言葉使いなどの不適切な中国語を使っていることも少なくありません。これでは、企業や観光地のマイナス評価につながってしまいます。ただ文法的に正しいだけではなく、より正確で美しい中国語で書いたり話したりすべきです。中国語が少し話せる人なら誰でも書けるようなものではなく、プロの中国人コピーライターに任せるべきではないでしょうか。

しかし、そこまでのコストはかけられないという場合には、やはり中国語のレッスンを受けて自宅でも中国語を勉強すべきです。販促パンフレットや説明書は中国人に任せるしかありません。しかし、中国語を勉強すれば店頭でのちょっとしたものであれば自分で作ることもできるのです。

「中国人観光客にどうアピールしていいか分からない」「中国人観光客の方がお店にいらっしゃるけれど、商品を見ただけで帰ってしまう」などと、集客と販売に悩んでいるショップも多いことでしょう。そこで、弊社中国人スタッフへの聞き取り取材をもとに、中国からの観光客・商用客が、その言葉を目にするだけで購買意欲が刺激されるフレーズや接客態度を紹介します。

中国人スタッフでの接客は逆効果。実は日本人の日本式サービスが欲しい中国人観光客!

中国人スタッフでの接客は逆効果。実は日本人の日本式サービスが欲しい中国人観光客!

 

家電量販店や百貨店には、最近中国人観光客の増加に伴い、中国人留学生などをアルバイトとして採用している例があります。アルバイトの場合、学生の就労時間は週28時間しか認められていません。常駐させるには複数名を同時に雇うことになり、研修などにかかるコストが高くなってしまうのです。また離職率も高いのですからコストが無駄になってしまうのです。

中国人スタッフが多いと、中国人経営のお店だと中国人観光客に思われてしますのはマイナスです。日本に旅行に来てまで中国人のお店で買い物をしたいとは思わないのです。また、お店とガイドが結託して観光客をカモにしているという話が中国で報道されて、不信感が広がっていますから、免税店などで中国人スタッフが話しかけると、中国人観光客はみんな逃げ回るのです。逆にカタコトしか中国語を話さない日本人スタッフの方が、圧倒的に受けがいいのがわかります。

このように大丸札幌店などでは、メリットとデメリットがあるようです。中国語対応ができる常勤スタッフが免税手続きカウンターに1人常駐しているだけです。通常の売場販売員は同店が作成した対訳マニュアルで対応し、どうしても、という時だけ、免税手続きカウンターのスタッフが、内線電話で対応するという仕組みになっているようです。

中国人観光客が望むのは、特別扱いではなく日本人と同等のサービスです。「中国人は中国人にまかせっきり」という接客をしていれば、持続的な集客は見込めないでしょう。家電のような専門知識の必要な売場を除き、中国人スタッフは不要と割り切るか、Atlasの無料中国語接客アドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

中国人の割り込み、喫煙、温泉の入り方。この3大マナー問題はこう解決する!

中国人の割り込み、喫煙、温泉の入り方。この3大マナー問題はこう解決する!

 

中国人観光客の増加によって経済効果が期待される一方、文化や習慣の違いから生じるトラブルを心配する声もあります。そこで、現場の声をもとに、よくあるトラブルの傾向と対策を見てみましょう。

レジやトイレで、順番に並んだり、譲りあったりすることは苦手ですが、ただ当人たちはズルをしているつもりはなく、反対に、割り込まれて怒る中国人もいないのです。これは文化の違いの何物でもありません。

解決方法としては、レーンを設置することです。またレジ前の床に黄色のビニールテープを貼るだけでも効果はあります。

次にホテル・旅館での事例ですが、タオルを体に巻いたまま湯船に入ってしまったり、かけ湯をしないで湯船に入る。これは浴衣の着方と温泉の入り方を中国語で書いたものを用意し、部屋に配布するだけで解決します。

このような問題も、ちょっとした取り組みで再発が防げるのです。喫煙マナーの問題ですが、日本では、エレベーター内の禁煙は常識なので、注意書きは出していないと「禁煙と書いていなかったから」とタバコを吸ってしまいます。

しかし、2012年現在、中国人観光客のマナーは、年々よくなってきているといえます。最近では、百貨店でも家電量販店でもホテル・旅館でもマナーに関するトラブルはないようです。もちろん中国人観光客としても、悪気があってやるわけではありません。一般的に来日される中国人観光客は、比較的高学歴の方が多いので、注意するというよりは、協力をお願いするという姿勢で接するのが大切です。そうすれば多くのトラブルは避けられるはずです。もちろん基本的な中国語会話は必要になります。

文化の違いから発生する中国人のクレーム… これが怒れる中国人応対術!

文化の違いから発生する中国人のクレーム… これが怒れる中国人応対術!

 

ちょっとした誤解や習慣、文化の違いから起きる中国人観光客とのトラブル。どうしても受け入れられないクレームに穏便に応対するにはどうすればいいのでしょう。

まずクレームが受付けられない理由をきちんと説明することが大切なのではないでしょうか。日本人なら「そういう決まりですから」で済むことも、中国人は「そんなルール聞いていない」と納得しない。それより、「あなたの要求を受け入れてしまうと、こちらはこんな不利益になる」と、率直に相手に伝えたほうが効果的なのです。怒る中国人は、一気に思いの丈をまくしたてがちですが、全部吐き出したらすっきりした顔で帰っていったという例もあるようです。

中国では、店頭に立つ販売員はなんの権限もない場合がほとんどなので、クレームは権限のある立場の人に伝えたいのです。だから、すぐに「責任者と話したい」と要求してきます。こうした場合に、店長でも責任者でも役職が付いている人が出て行くと、納得してくれることがほとんどです。

トラブルの際は、まず相手の話を聞いて面子を立てながら、こちらの事情を伝えることで、解決することができるはずです。当然のことながら中国語を話せないとコミュニケーションが取れないのは言うまでもありません。

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