オンライン英会話スクールでもマンツーマンレッスンがようやく当たり前の時代になった。この流れに先行するような形で、古いビジネスモデルであるグループレッスン主体の英会話教室が倒産・休廃業・閉鎖し出している。大都市に点在する教室型スクールも今後の展開が注目される。
今のところほとんどの大手英会話スクールを支えているのはやはり現場の受付やカウンセラーだ。多くの場合、このポジションには20代の女性が抜擢され、受付カウンターに配属されることが限りなく多い。そしてこれも限りなく高い確率で、彼女たちには必要以上のノルマが課せられ、集客に力を注がなくてはならない。。
英会話スクールは、サービス業であると共に、営利目的の企業活動であるから、営業職の社員にノルマが課せられるのは当然のことだ。そのくらいしっかりしていないと、会社の存続そのものが危ぶまれる。しかし、逆にこのノルマがプレッシャーに弱い社員や、モラルの低い社員が目先のカネのために悪徳勧誘を始め出す。
こうなると結果として強引な勧誘をして、尚且つクレームを出さない客を掴んだ社員がすばやく力を発揮し、昇進も早い。昇進すれば社員教育も必然的に任されるから、その教育のあるべき姿は容易に想像がつく。
こうなった時点で、特に中小規模の英会話スクールは非常に厳しい状況に立たされる。このような大手スクールを抜け出して独立(スクール開校)を果たした者が、1,2年後には資金繰りが厳しくなって倒産するのは結局このような大手スクールの営業スタイルに問題が残るからだ。
ではなぜ大手英会話スクールがそれでも運営ができているのかというと、そもそもの宣伝広告費にかける金額と、マーケティング力だ。このような現状は、英会話スクール選びに関わらず、いかに一般的な日本人のサービスを見る力がないかを示すものといえる。
NOVAやジオス倒産以降も 「テレビでコマーシャルをしているからきっと安心だろう」という人がまわりを見渡せば限りなくいるのではないだろうか。
○英会話スクールの対応の変革
今後、大手英会話スクールでもしばらくは強気の営業手法は続くだろう。客の立場からすると良くないことだが、消費者にも責任の一端はある。仕方のない部分は残るが、しかし、中小規模の英会話スクールにとっては死活問題だ。生徒が入ってきても、出て行くときも、立ち上がりもしない受付を雇用しているスクールも多くなる。
はっきりと言えるのは、マーケティング力に差があるのなら、サービスで、サービスに自信がないのなら、せめて押し付けがましくない接客で応対しなくてはならないということだ。目的はお客様にスクールを利用していただくことであり、営業手法のスキルではない。
現場の営業社員はこのあたりから感覚を変え、人間的に磨きをかける努力をするべきだろう。相手がどういう対応を望んでいるか、どのような回答を欲しているか、ベースの部分から見直して実行しなくてはならない。結局はそれが特に大手スクールではノルマ達成にもつながるのだろうから。
○英会話スクールが勝ち取る集客と信頼
今でもスクールの受付スタッフはスクールの顔だが、それだけでは今までの手法はとっくに通用しなくなった。また、受付スタッフも営業社員も持ち上がったモチベーションを落とすことなど簡単なことだ。スクールが企業内のマネジメントを硬直化させればそれでいいからだ。
つまりスクールの経営陣に「何でもいいからノルマを達成しろ」という態度だけが根本にあると、結局は自転車操業と何ら変わりない。社員のやる気が出るわけがない。
今こそ、顧客の信頼を勝ち取ることができるような接客に教育をし直すべきだ。受付スタッフの教育は、収益を考えたとき、外国人インストラクターの教育よりもはるかに大切だ。週に1度、月に1度でも時間を取って彼・彼女たちの営業教育に対して時間を取るべきだ。
最後に、英会話スクールの経営者は是非覚えていただきたい。顧客調査を行うと、このような結果が出る。それは、「顧客が契約を決めるのは、外国人インストラクターの質ではなく、体験レッスンでもなく、内装でもなければ、パンフレットの出来栄えでもない。それは目の前の受付スタッフを信頼できると感じたときだけだ」ということだ。
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