○そもそも大手英会話スクールに通って英語が話せるようになるのか?
この問題は全ての生徒が抱えている切実で身近な問題だと思う。なぜこのような問題が出てくるのかといえば、それは自分の会話力が伸びているかどうか、「イマイチよくわからない」からで、よくわからないということは結局「それほど伸びていないのだろうなぁ」との考えを呼び起こすことになる。
早とちりの人は「英会話スクールにだまされた」と言うし、控えめな人でも「日本にいて英会話伸ばすなんて無理だよねぇ」となる。
感じのいい人なら「英会話スクールで英会話伸ばそうと考えること自体が間違っているよ。スクールは試してみる場だから」と言うし、明確な目標のない人は行っていること自体に満足している。「今日は英会話の日だから」と同僚や友人に言えることがステータスという結果の場合もある。
どのような物事も習得までには結構な時間がかかる。努力も地道な作業も要求される。そして、物事によって習得までにかかる時間の違いがあるわけだが、人は新しいものは割と早く身につけることができる。
なぜかと言うと、白紙の状態であることを自分自身も認識しているし、白紙では自分の考えを反映させることなどできないわけだから、言われたことをとりあえず守ることが優先される。
白紙の状態の中でも習得のスピードには差がある。何度も反復を繰り返す物事はそうでないものよりも、はるかに時間がかかる。例えばこれからはじめて英会話を習うのと、ヒップホップダンスを習うのとでは、曲がりなりにも形になるのは英会話の方が早い。しかし、今の子供たちならばダンスの上達の方が速いのかもしれない。
日本人は小・中・高で、徹底的に受験暗記用の英語を身につけさせられ、すでに白紙の上に様々な落書きがされているところから地道な反復を何度も続けるわけだから、時間がかかるのはいたしかたない。
最終的には人は楽をしていい結果を望むものだから、「何だ、やっぱり英語力が上がらない」と短絡的に判断してしまう。
○まずは自分の責任という感覚を持つこと
「スクールのカリキュラムに問題がある」と言うことはとてもたやすいし、事実そういう部分があるから否定はできないのだけども、本当に自分のやりたいことを真剣に向かってやっている人がどれほどいるのかと言うと、「?」だ。
人のせいにする前に、「自分でできることをどれほどやっただろうか」と振り返ってみることがやっぱり大切だろう。そうは言っても人間は弱い部分もあるから、環境に左右されることはあり程度しょうがない。じゃあ環境を変える工夫なり努力をすれば自分自身の意識も高まるし、環境そのものが変化する効果もあとからついてくるだろう。
○ダブルスクール(オンラインスクール型と通学型)の提案
こう安易に言うと、「じゃあそれでやる」という人が出てきそうなので、あらかじめ釘をさしておくと、いくら私の提唱するダブルスクールでやっても「あんまり変わんないよねぇ、むしろめんどくさい」という人が必ず出てくるだろうから、ダブルスクールに手を出す前の事を書いておこう。
おそらくこのコラムを読んでいるほとんどの方は「今しか買えないマッサージ器があるんですよ。100万円のところを今なら半額の50万円で買えるんです」と言われても、おそらく首を縦には振らないだろう。「そんな浅はかな、誰も買わないよ。もちろん自分も買わない」と考えるでしょう。マッサージ器の価値を何となくわかるし、自分の必要性と照らし合わせて考えるからです。
これが英会話ならどうだろう。必要性はある。相場も聞いていれば大体わかる。でもマンツーマンレッスンは実際にやってみないとわからないから、営業の人の言うままに何も考えずに入学してしまうのではないだろうか。
今の時代、インターネットに英会話スクールの情報はいくらでも探せるようになった。いろいろと調べてみることが、当たり前のことだが何十万円の金をドブに捨てない最も賢い方法となる。
スクールの特性や、実際に通っている生徒がどのような発言をしているかを調べたら、次は目標を立てる必要がある。「何だそんなことか」と思ったあなた。これは本当に重要な問題なんですよ。
現在の生徒の傾向は、大都市を中心にビジネスパーソンに推移している。これは別にブームと言うわけではなく、楽天やユニクロが行っている社内英語公用語や外資の参入、TOEIC600点以上を昇進の基準にするなどの「社会のニーズ」が醸成されてきたためで、今後も「目的意識の高い生徒」は間違いなく増える。
あなたはその中で、「とりあえず話すことができたら転職に有利だし」などという理由で今お金を使うのだろうか。だとしたら、初めから英会話を止めて他のジャンルの身につくことか、楽しいお稽古事をやったほうがよっぽど人生が充実するだろう。少なくとも数十万円をドブに捨てることは回避できる。
目標を立てることがなぜ特に重要かというと、ここでダブルスクールのお出ましなのだが、目標を効率よく習得するために多面的に、専門的に効果を狙うのがダブルスクールの概念だからだ。
例えば、「英語と韓国語を話したい」のであれば、韓国語コースを持つプライベートレッスンでカバーできるかな、と考えることができる。プライベートレッスンは、1対1の特性を生かして、「スピーキング重視のレッスンがしたい」と言っておけば、それに沿ったレッスンができるだろう。目標に対して多面からカバーすることができる。
|