会員制は生徒を選別することになるので、それを採用したがる語学教室は少ない。しかし、会員制はスクール経営に大きな利益をもたらしている。
3 会員獲得のマーケティングに集中できる
Atlasのマーケティングは、いかにして会員を獲得するかにある(維持および更新も含める)。Atlas本社のmarketing department(マーケティング部署)は、若手のWebデザイナーやプログラマー、動画の専門家など数人でITチームを組んでいる。
特に新規校での会員獲得のために開校の2,3ヵ月前から会員の募集活動をWeb上で行っている。テレビや雑誌を使ったマス広告は一切行わないので、マーケティング費用は極めて少ない。
もちろん、会員の意地、更新もマーケティング部署の重要な仕事である。
以上、会員制語学スクールがなぜ会員制を採用しているかということがおわかりいただけただろうか。
会員制を採用することは生徒を限定する選別(selective)な戦略だと書いたが、その意味を少し広げるとすれば、無駄な人の流れ(traffic)を削除(delete)するということになる。
また、会員制を採用した結果、会員の口コミが最大の広告となり、マス広告を使ったテレビやラジオ、雑誌などの広告活動は必要がないため、マス広告そのものを削除(delete)するということにもなる。
ピーター・ヨネナガがAtlasマンツーマン英会話を立ち上げた時に、「最高の品質」とか「低価格」という表現は一切使わなかった。
マス広告を使うとメッセージ性が一人歩きして、発信者の意図とは異なるメッセージが広く蔓延することになる。彼はそのことを考えてマス広告を使わないのだ。
マーケティングの一つの意味は、「顧客を創造すること」といわれるが、Atlasの場合は、「宣伝・広告費を削除することによって顧客を創造した」とも言える。
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