④ Atlasマンツーマン英会話と大手英会話スクールの今後
ここで一つ触れておきたいのがAtlasの首都圏本格進出のことだ。Atlasは東京や千葉、埼玉への開校についてどう考えているのだろうか。
Atlasが横浜駅前近くにLSを開校した当時、ピーター・ヨネナガ社長は、2004年9月の社外プレスリリースで、このように語っている。
「東京への開校につきましては、日本で最も人口の密集している東京へ将来的には複数開校することになるでしょう。これからは英会話スクール探しもインターネットなどの情報技術のさらなる進歩に伴って変化していくでしょうが、まずは大阪、名古屋などまずは地方都市で実績を残しながら最後に東京での開校をすべきです。
なぜなら、多少地方都市で失敗しても多様なコースを提供することができるノウハウはこれからもっと必要とされるからです。問題は不必要な人件費やコストです。必要なものは東京にもできると思いますよ」
つまり、Atlasは東京へ開校するのは時間の問題と考えている。それは今でも変わらないだろう。さらに大手英会話スクールについて、次に様に話している。
「しかし、私たちは大手と競争する必要はありません。今後、英会話や外国語を学ぶ日本人はチケット制やクレジット制でのグループレッスンを受ける人が少なくなるでしょう。10年後には英語を英会話スクールで学ぶ人の半分はマンツーマンレッスンを選ぶようになるでしょう。
Atlasは、消費者にとってレッスン携帯の選択肢が一つ増えたと考えてもらえばいいのです。消費者はAtlasを利用することによって経費を節約し上達することができます。また、Atlasの低価格で毎回払いの支払い方法によって、自然に日本全国のマーケットシェアを拡大することができるのです。
実際、私たちが他のスクールの生徒さんと話をしていて感じたことは、彼らも本当はAtlasマンツーマン英会話のようなスクールでマンツーマンレッスンを受けたいのだと思います。しかし、そのきっかけが札幌と横浜以外になかった。私たちはその踏み切り台になるのだと思います」
NOVAやジオス倒産後、生徒と英会話スクールの取引形態はこの7年でかなり変化した。また、オンラインによるフィリピン人講師とSkypeによる格安レッスンというジャンルが収益を伸ばしダイレクトチャンネルも大きく広がった。
Atlasのチャレンジは、そのような大きな流れの中の一コマかもしれないが、ヨネナガが言っているように、英会話スクール業界にとってAtlasはダイレクトへの踏み切り台の役割を果たしたのかもしれない。
日本の英会話スクールの歴史は、倒産後、企業による買収や合併が進み、IT技術の進歩でレッスンの受けやすさや効率は格段に高まり、さらに通販などのシェアが高まることによって一段と競争が激しくなっている。ただし教室型スクールについては5年前よりも随分とスリムで合理化されている。
これらの動向もAtlasのようなビジネスモデルが日本に入ってきたことと関係があるかもしれない。
|