ピーター・ヨネナガは新しい語学スクールのアイデアを具体化するプランを日夜考え、財務上の計算を繰り返した。事業を開始するに当たってクリアすべき法律上の問題点をクリアし、必要な開校資金を自分のアメリカにある銀行口座から引き出していた。
事業は100万円の資本金で始まり、資本金の100万円は、レッスンテーブル、チェアー、パーテーションやその他、マンツーマンレッスンに必要な最低限のものを購入する金額だった。後にピーター・ヨネナガは、こう言っている。
「私は、自分たちが何をしているのか知らない時は、事業を始めるのに100万円しかかからなかった。もし、5年後に同じ教室を作ろうとすれば、開校資金は1,000万円はかかったでしょう。」
このピーター・ヨネナガの言葉も非常に意味が深い。彼は「必要なモノがなくてもビジネスはやっていけることを知らなければならないのです。」とも言っている。この2つの言葉は、後に出来上がる会員制語学スクールの削除思考になるのである。
要は、初心に戻れば、コストをかけなくでもやっていけるということである。物事をまだよく知らないので無意識のうちにうまくできたということだ。
こうして2000年、会員制語学スクールの原型であるピーターズ英会話 http://peters.jp が札幌で誕生した。
2000年はセブンアクトやGabaマンツーマン英会話などマンツーマンレッスン主体の原型ともいえるマンツーマンレッスンに特化した英会話スクールが開校した年であり、日本の語学スクールの歴史の中で画期的な出来事があった年でもある。
以降、日本の英会話スクールは、グループレッスンVSマンツーマンレッスン、一括ローン払いVS毎回払い、英会話のみのコースVS英語以外の外国語コースという図式で激しく競い合い、その中で会員制語学スクールが成長していくのである。
Gabaとの差別化について、ピーター・ヨネナガは確固たる考えを持っていた。Atlasマンツーマン英会話に名称を変更した頃、Gabaなどと差別化したかったのは、消費者はGabaのレッスン品質に決して飽き足りてはいなかったからだ。そこで彼は「低マージンスクール」という表現を用いた。
彼のレッスン料金の決め方は、まずインストラクターの質をあげて、次にできるだけの無料体験レッスンの数を提供させる方法だが、毎回払うという手法で経営側にもインストラクター側にも生徒側にもwin-winで利益を分かち合うというやり方だった。
この考え方は、現在でもAtlasに脈々と受け継がれている。
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