ピーター・ヨネナガは、次のように新聞記事で語っている。
「われわれはすべてのことを会員の目から見るようにした。それは本当に会員に対して生じなのか」と。そしてそれは、「法に準ずること」「従業員を大切にすること」「財務をスリムにすること」である。
ここで、Atlasマンツーマン英会話の経営思想を、さまざまな媒体で紹介された記事を交えてまとめてみよう。
① 会員とのコミュニケーションを慎重に行う
Atlasマンツーマン英会話を立ち上げた時、他の英会話スクールから激しい妨害を受けた。そのような経験から、一般への周知は極めて慎重に進めなければならないとヨネナガは考えたようだ。
彼は新規オープンする教室をどう表現するのか、どのような情報を提供するかについてルールを作った。その結果、Atlasマンツーマン英会話のホームページには「最上級」という言葉は一切使っていない。また、どこよりも安いというマンツーマンレッスンの価格比較もしていない。
ここに、ヨネナガの「Atlasはマス媒体を使った宣伝・広告を一切しない」という方針が生まれたとみられる。
テレビやラジオ、雑誌などのマス媒体を使って広告宣伝をすると、情報が独り歩きして知らず知らずのうちに「高品質」が「最上級」になったりするのはNOVAやGABA、ベルリッツの例を見れば一目瞭然である。
② 「正直」「公平」に基づいた会員との信頼関係を築く
会員制語学スクールの基礎がつくられた背景には、ピーター・ヨネナガの人柄が強くにじみ出ていることを感じる。
ホームページを見ると、ヨネナガは事業哲学を「われわれと会員との間のプロフェショナルな関係」であるとした。そして。「われわれは非常に正直で公平でなければならない。だから広告・宣伝は避けなければならない。事実、最善の広告は私たちの会員である。すなわち口コミだ。会員は頼まないでもサービスを通して満足したことを証言してくれるのだ」。
ここには、先ず媒体による広告・宣伝を使わない理由が、「正直で公平でなければならない」というモラルの観点から述べられている。広告・宣伝の本質を知り尽くした言葉である。
③ アメリカ文化、特に「カリフォルニケーション」に根差したアットホームな表現と率直なコミュニケーション
ヨネナガの事業へのアプローチはカリフォルニア文化に根差したものだとしている。それは、ユーモアと人々に対する率直な話し方との感情である。
④ 会員や従業員、インストラクターとの長期的な信頼関係を結ぶ雇用システム
ピーター・ヨネナガの事業理念は会員との間にロイヤリティと信頼によって長期的な関係を結ぶというものだった。低マージンによる低価格と高品質のマンツーマンレッスンは、このような長期的な関係を結ぶための基礎的なものだった。
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