① シンプル(わかりやすい)
Atlasの成功要因の一つはビジネスモデルのシンプルさだ。
その最たるものはマンツーマンレッスンに特化したことと毎回払い、また10ヶ国語に絞っていることだ。また、全国に進出するに当たり、決してそのビジネスモデルを都道府県によって変えようとしない。ビジネスモデルは全国どこでも同じだ。ビジネスモデルはシンプルが一番という信念がある。
② 機能美
Atlasのビジネスモデルは機能美に優れている。それはまるで数字の羅列のようだ。
Atlasは講師を直接雇用して、全国にある主要ターミナル駅近くの教室で会員に60分のマンツーマンレッスンを行うまで最短で到達するように設計されている。なぜAtlasは最小作用、あるには最短作用ができるのか?
それは、Atlasのオペレーションが、講師と日本人カウンセラー、また会員の家庭やオフィスから教室までの最短距離を知っているからであろう。
③ 削減思考
削減という言葉をAtlasのビジネスモデルの要素のあらゆるところで使った。削減とは削除のことであるが、ある意味で、非常に伝統的なマーケティング思考でもある。しかし、それはAtlasがマス広告・宣伝を行わないことで理解できる。講師を作り市場を育てるとは反対のように思える。
Atlasは、マス広告・宣伝をしない代わりに、その従業員と会員がAtlasの利点を広めてくれる手法を採用している。いわゆる口コミによるマーケティングだ。1,000人(従業員)と1万人(会員)のメディアがいるようなものなのだ。
Atlasはあらゆるマーケティング要素を削減して飾りがない語学スクールになった。
④ マンツーマンレッスンに特化した語学スクール
1990年代後半から2000年前半にかけては、ほとんどの大手英会話スクールで「事業の多角化」を目指していた。そして、そのほとんどの英会話スクールがそれに失敗したのが2000年後半のことだ。しかし、ピーター・ヨネナガ率いるAtlasは「会員制語学スクール」とマンツーマンレッスン事業の一本に絞った経営を行った。
⑤ じっくり着実に成長
ヨネナガがAtlasを成功させた大切なポイントの一つに「着実さ」がある。これはNOVAやジオスが市場に競うように金融機関から巨額の資金を調達してテレビCMを洪水のように流すような猛烈な勢いで事業を改題して言ったのとは対照的である。
ヨネナガは事あるごとに、初心を忘れないようスタッフに昔話を聞かせるようにしている。着実にやっていけば今も昔もそれほど変わらない、ということを教えるためにだ。
⑥ ニッチ市場の開拓
Atlasはある意味ニッチ(隙間)市場にうまくはまっている。英会話市場を地域で奪取した後は、語学全体の5%以下の中国語や韓国語コースに力を入れていて、低価格のマンツーマンレッスンにレベルの高い会員を引きつけている。
Atlasのコンセプトの一つは、大手英会話スクールでは高過ぎて手が出ないが、かといって、オンラインのフィリピン人や小規模の場末スクールのような安いが低品質のレッスンは受けたくないという中間層、つまりニッチ市場にうまくはまりこんだということになる。
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