① 直感と人を見る眼を持つCEO
ピーター・ヨネナガはずっと企画やオペレーションに関わってきた社長だ。どんな言語についても会社の誰よりもよく話すことができるし知識深い。それは彼のアメリカや日本での経験で培われた直感と人を見る眼、さらに市場の需要を見通す眼力によるものである。
会議でも細部に至るまで情け容赦なく口を挟む。Atlasの会員が月会費を払うことについて、「Atlasマンツーマン英会話でマンツーマンレッスンを受ける特権にお金を払っている」とよく言われるが、実は会員はヨネナガが選ぶ講師とレッスンシステムにお金を支払っているということである。
② 仕事を楽しむ才能
ヨネナガは仕事を楽しんでいる。彼の側近も楽しんでいるようにみえる。だから、あれほど働くことができるのだろう。ヨネナガと社員の姿勢は他の従業員にもおのずと伝わっている。
ヨネナガは新聞、テレビ、ラジオなどメディアの取材でよく「これはエンターテイメントなんですよ。もっと言えばエデュケーションとエンターテイメントの間エデュテイメントなのです」と語っている。彼は本当に疲れを知らないプロデューサーのようだ。
③ 思いやり経営
ヨネナガの経営思想がこれだ。従業員に対する思いやりはモラルでも感情でもなく、給与や待遇に反映する具体的なものだ。そのため、他の英会話スクールから嫌がらせをされたが、頑としてその嫌がらせや圧力に屈しない。
④ 単刀直入
ピーター・ヨネナガの人柄は、従業員と会員、さらに講師とのストレートなコミュニケーションだ。社長室はなく、誰でもいつでも会いに行く。
このような彼の人柄は、7歳で単身渡米、20歳で起業、さらに日本に来てすぐに起業した価値観はAtlasの企業文化の中に深く浸み込んでいる。
⑤ 正直で誠実な経営者
Atlasは売上役10億円の会社であるが、社長であるピーター・ヨネナガの年棒は1,000万円だ。この金額はこの規模の企業経営者の年棒の5分の1以下ではないだろうか。
2004年頃からアメリカや日本で金融経済が暴走を始めた。サブプライムローンをはじめとする詐欺的な金融商品が発明され、それがアメリカや日本起業のマーケティング力で世界中に販売された。
その金融商品はリーマンショック後の2009年に破たんした。それから5年経過したが、この間の世界経済は立ち直るばかりかいっそうの混迷を深めている。日本では安倍首相の「アベノミクス」という現象が起きてはいるが、アメリカやヨーロッパの経済状態は良くなる兆しがない。果たして、金融経済主義への反省があったのだろうか。
ピーター・ヨネナガを見ていると、あのような誰が考えても破綻するとしか思えない商品に手を出すことはなかったのにと思う。バブルとはまさに虚構である。
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