⑥ アットホームな経営者
金融・メディア系には反骨の精神で立ち向かい、ビジネスには自分の経営哲学を貫き、従業員には慕われているヨネナガは、まるで地元商店街のおやじ経営者のようである。
下町の商店街では、社長の人柄や技術は評価されるが、経営者として会社を発展させていくことに関しては、ごく一部を除いて苦手であるといった印象が強い。
ヨネナガが評価される理由は、システムの一つ一つ、コースの一つ一つまで熟知し、どうすれば少しでも料金を下げられるかということを、従業員を叱咤しながら日夜考え行動していることだろう。
ヨネナガは、下町商店街のおやじ経営姿勢を崩すことなく、創業10年で、全国7位という起業を築きあげた。そのヨネナガの経営姿勢で、これだけの業績を挙げたという事実が、今の英会話スクール、とりわけ中小の起業をどれだけ勇気づけられてくれることか。
⑦ 今後どういう考え方で今後も日本で生きていくのか
ピーター・ヨネナガは、全国に出張しこまめにシステムの点検をし、少しでも質の良い外国人講師を採用しようとして従業員を激励する。時には叱責する。それでも従業員はヨネナガを歓迎している。「ピーター社長!「ピーターさん!」これらは決して大げさではない。
私も数多くそのような光景を見た。従業員に聞くと、私の話にうなづきながら、このような話しが返ってきた。
「ピーターさんという人は、日本人以上に日本人らしい方です。昔の日本人とでも言うのでしょうか。もったいないという言葉がよく使われますが、常にゴミを見つけては自分で捨てに行くのです。そこに人がいれば、ここに捨てていいかどうか聞いてから捨てるのです。」
これだけの業績を挙げながら、なおかつ人にやさしく、自分の業績を誇示しようとしない。これはビジネスパーソンとしてどうあるべきか、というよりも人としてどうあるべきかということをよりよく意味しているのだろう。
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