一般的に、アメリカ人の交渉担当者は値段の駆け引きが始まる前に、少し時間をかけて情報を集めたり、詳細を話し合ったする傾向があります。しかし、これによって交渉が大幅に遅れるようなことはほとんどありません。
彼らは、相手と情報を多少共有し、答えたくない機密情報に関して質問しても滅多に悪く取ることはありません。同様に、彼らも多くの質問をしてきます。彼らはわかりやすく、ポイントを押さえた情報を高く評価する傾向があります。
情報を隠しているように見られるのは逆効果になることもありますが、共有したくない情報もあるとはっきり言えば、わかってくれるはずです。しかし、誤解を招くような情報を提供すると非常に悪く取られて仕返しをされる可能性もあります。
アメリカ人の交渉担当者は、最初から質問内容をハイレベルに設定し、あまり詳細に注意を払わない特徴があります。質問がより具体的、専門的になりはじめたら、彼らの関心が真剣で取引を成立させたいと考えている可能性が高いといえます。
アメリカでの交渉は、世界のどの国よりも早く合意できる傾向があります。アメリカのほとんどの人がTime is money.という信念を持っていて、実行は計画や分析よりずっと大事だとされている傾向があります。
そのため、アメリカ人は交渉を早めに終わらせてすぐに実行に移したがります。複雑な交渉も一度で終わる事もあり、追加の交渉は電話かメールで行われることがほとんどです。
一般的に、アメリカ人はアナログ的な仕事の仕方を好む傾向があります。行動や目標を体系的に追及することに慣れていて、途中で中断や脇道に逸れることを嫌います。交渉の際、頻繁に目標をリスト化した順番通りに一つ一つの駆け引きを行い、すでに同意した項目を再び議論することを嫌がることがあります。
アメリカ人はこのアプローチが体系的で効果的だと考えているので、政治的な交渉相手が何を言っても聴いてもらえないことがあります。この頑固さは、アジア人やアラブ人、南欧や南米など高度な政治的文化を持った交渉者にとっては容認できない部分があり、閉鎖的で制限が多すぎると感じられるかもしれません。
いずれにしても、アメリカ人にこういった行動を取られた時、不快感や怒りを見せてはいけません。むしろ項目ごとの駆け引きを受け入れることが最善です。そうでなければ同委は他の項目次第の条件付きだとはっきり伝えるべきです。
すでに同意のあった項目を再び議論しようとすると、アメリカ人の傾向として信用できない人間のように思われることがあります。
譲歩を引き出す目的で時間のプレッシャーをかけて交渉をわざと遅らせたり、代替案を検討するために時間をかせぐことは大きな間違いをおかす可能性があります。アメリカ人は時間を無駄にすることが嫌いで、相手側が何か隠しているか言いたいことを言っていないと感じることを嫌います。
アメリカの交渉担当者は、交渉全体の時間が長くかかりすぎていると感じると、他の多くの国と違い、むしろ譲歩する気をなくす傾向があります。最悪の場合、取引自体への関心を失うことさえあります。
一方、アメリカ側から長い間連絡がなかった場合、あなたとビジネスをする関心がないという意味である可能性が高いです。電話をかけたりメールを送っても応答がないこともあります。特に、南部では人々ははっきりとNOと言うことを好まない傾向があり、こうした方法が頻繁に見られます。
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