|
日本と違い、他国からの移民が多いカナダでは、特にカナダ人ビジネスパーソンや若い世代は、他の文化圏からの来訪者と交流した経験があり、ビジネスをした経験も持っています。一般的に、カナダ人は他の国に純粋な興味を持ち、彼らの方法を強要するよりも、どちらかといえばオープン・マインド的です。
カナダ社会は、幾つかの異なる文化を持った移民で構成されております。日本のように均一なものではなく、英語を話す大多数であるアングロ・カナディアン（WASP系カナダ人）、またはアングロ・ホーンズで約60%を占めていて、フランス語を話す少数であるフレンチ・カナディアン（フランス系カナダ人）、またはフレンチ・ホーンズで約25%で構成されています。
フレンチ・カナディアンの多くはケベック州に住んでいます。彼らの間の文化と言葉の相違を尊重することは非常に重要です。また、アジアやアラブの先祖を持つ他の国から移住してきた大きなグループがあり、彼らの多くはトロントやバンクーバーなどの大都市に住んでいます。
この地区に提供される情報はアングロ・アメリカン、またはフレンチ・アメリカンが関係しています。また、カナダをアメリカとは違う国にしている多くのユニークな特徴について認識することが重要になります。
ここではカナダ人の信念をできるだけ説明するように試みますが、実際のビジネス業務に関しては一般的なガイドラインからは外れていくかもしれません。いずれにしても、カナダでビジネスをする時は、常に予想外の事態が起こりうることを忘れないでください。
カナダの小さな都市や田舎では、今もなお住民との間に生活スタイルの違いが明白にあることを認識しておくことも重要です。一般的に、太平洋側に住むカナダ人は多くの異なる国と文化の人々とビジネスをすることにオープンです。しかし、大西洋側に住むカナダ人は、地域的な志向が強く、幾分閉鎖的に感じます。ビジネスのペースは明らかにトロントやオタワの方が速いと言えます。
カナダでは、ビジネスそのものは人生の中で中程度に重要視されています。カナダ人は、最初のビジネスのやり取りに対して、事前に何かを準備しておかないといけないと考えていません。カナダ側の期待というのは、ビジネスを一緒にするあなたのことを良く知っておきたいというものです。アングロ系カナダ人にとっては特にその傾向があります。
一方、フランス系カナダ人は、重要なビジネスのやり取りを始める前により強い関係を構築しておくことに重点を置く傾向があります。一般的に、カナダ人は長期的な目標よりも短期的な結果を重視しますが、また長期的な関係を築くことにも興味を持っています。
しかし、強い関係を構築したい人たちには滅多に持たない見解ですが、多くのカナダ人は競争的で生産的なビジネスにおいてはパートナーと協力的で、何よりも競争的であることが良いと考えています。
ビジネスについての考え方として、個人と会社の間に大きな違いがないことが分かります。例えば、あなたの会社の担当者を他の誰かと置き換えた場合、あなたが残したものを引き継ぐことが簡単です。
同じように、もしあなたが自分の会社の誰かを紹介する場合には、その人は適切なビジネスパートナーとしてすぐに受け入れてくれる傾向があります。このことはカナダ人が誰と交渉するのかをあまり気にしないということではなく、あなたが彼らの信頼を得たいなら個人的な整合性と信頼性を示すことが重要だというわけです。
カナダのビジネス文化では、人に対する敬意は主としてその人の実績によるところが大きい傾向があります。そのため、教育のウエイトはより低くなり、地位と肩書はアメリカに比べると少し重要な役割を果たしているように思います。
尊敬される個人的な特性としては、「謙虚さ」、「寛容さ」、そして「合理性を伴った正直さ」と「志」です。
|
