一方、ライバルのタクシー配送会社アーケイド・シティーはスマート・コントラクトによるまったく新しい業態を展開しています。後発ながらウーバーに対抗するために生まれました。しかし、アーケイド・シティーの場合は、ウーバーと根本的に異なっています。
ウーバーは、ブロックチェーン上でつながっていないので分散型ではなく中央集権管理型です。
それに対してアーケイド・シティーのほうは、最初からドライバーと乗客をウーバーのように中央管理センターを介すことなくダイレクトに結ぶピア・ツー・ピアのサービスを提供しようとしているので、ブロック・チェーン技術の導入による分散型を目指しています。
そのため、アーケイド・シティーは仮想通貨ビットコインのブロック・チェーンではなく、ビジネスの取引に適しているといわれているイーサリアムを採用しています。
イーサリアムとビットコインとの大きな違いは、両方とも、ブロックチェーン技術を使用していながら、イーサリアムのほうがビットコインよりもさらに機能を拡張させている点です。ビットコインは、すべての取引の記録をブロックチェーン上に記録しているだけですが、イーサリアムはスマート・コントラクトを利用しているので、料金の支払いだけでなく、契約内容そのものが自動的にブロックチェーン上に書き込まれています。
つまり、乗客がどのタクシーを選んで、どこまで乗って、いくら支払ったか、そのすべての情報が記録として残るのです。そのため、「タクシーを依頼する」→「どんな車でどこまで乗せてもらう」→「高速道路を使ったか下道で行ったか」→「何時に目的地に到着して、いくら支払ったか」まで、すべてのプロセスがブロックチェーン上で人間を通さずに自動で記録されます。
これに対して、ウーバーは、一定条件をクリアしたドライバーが登録してあるだけで、支払いもクレジットカードで決済されたかどうか、今でも中央管理センターがチェックしています。そういう意味で、ウーバーは中央管理センターの管理が不十分だと乗客が犯罪に巻き込まれる可能性が最初から潜んでいた業態であったということが分かります。
イーサリアムは、ブロック・チェーンのスマート・コントラクトによって、人間の感情を差し挟む余地なく契約が履行されるので、ウーバーに足りなかった顧客満足の思想の入り込む余地が最初からありません。つまり、ドライバーと乗客とのトラブルの芽が最初から摘まれています。「合意できなければ最初から乗らない」ということが明瞭になっています。
イーサリアムを採用したアーケイド・シティーとそうでないウーバーとの違いは、業態の決定的な違いとなって現れています。まさしくアーケイド・シティーは、スマート・コトンラクトによって具現化された事業形態となるでしょう。
アーケイド・シティーのドライバーは、ウーバーのように単に登録されているドライバーではないので、中央管理センターに縛られることなく完全な独立自営業者として自由に営業ができることになります。
料金もドライバーが設定し自分の個性をアピールすることもできます。特定の顧客を掴みたいと考えているドライバーにとってはウーバーよりもアーケイド・シティーのほうがやりがいがあるでしょう。
現在、Atlasマンツーマン英会話でもウーバーのような中央管理型ではなく、アーケイド・シティー型の分散型のビジネスモデルを目指して開発を行っています。Atlasの予約システムは創業当時から、なるべく人間を通さずに直接担当講師と生徒がやり取りを行ってきたことを考えるとスマート・コントラクトに近いことが分かります。
しかも、業界唯一とも呼ばれる直接レッスン料金をレッスン終了毎に「毎回払い」というのはこのアーケイド・シティーの分散型であったということは間違いありません。
今後も、 担当講師と生徒をウーバーのように中央管理センターを介すことなくダイレクトに結ぶピア・ツー・ピアのサービスを提供することで、ブロック・チェーン技術の導入による分散型を目指していきます。
|