札幌に次いで2004年は横浜に、2006年には名古屋、2011年には大阪にもAtlasマンツーマン英会話は展開し、今後は仙台や福岡、広島にも拡大していく予定があります。これについてアトラス株式会社のピーター・ヨネナガ社長はこう語ります。
「どこに住んでいても日本人であれば、いつかは必ず海外へ行きます。そのどこかにその時間、英語や外国語を話したいと思っている人が必ずいます。私たちAtlasは、日本の全ての人が日本語以外の外国語の一つでも話せるようになることを夢見ています。それが、日本のグローバル化や環境のために達成したい私たちのビジョンであり、ゴールでもあるのです。」
日本の都市部に拠点を次々と立ち上げたピーター・ヨネナガ社長の発言は重いものです。その都市の中心部へ向かう外国人講師と、同一時間帯・中心部方向へ向かいたい生徒をマッチングするAtlasマンツーマン英会話は、無駄な移動を作らないという点で、主要ターミナル駅付近にLS(教室)を運営するようになりました。
無駄な移動を作らないという点では、英会話スクールとは決定的に違いものになっています。つまり、Atlasの真の狙いは英会話スクールの代替え手段を作ることではないということです。
日本在住の全ての外国人講師の行動と目的を把握することで、語学教育業界全体の劇的な最適化を図ること。これこそがAtlasがやろうとしている本質なのです。英会話スクールに見える今は仮の姿であり、語学教育革命の通過点に過ぎないのです。
しかも、語学教育革命の対象は英語だけではありません。LSを使って英語以外の8ヵ国語コースを次々と打ち出し、実験しています。眠っていた空白を活用し、エコな市場や富も生まれていくのです。これがシェアリング・エコノミーという、新たな経済活動の姿なのです。
シェアリング・エコノミーが生んだ日本在住の外国人たちが講師になったのは、金銭を得ようと思ったからではありません。きっかけは、学業や研究、就職により日本へ来た途端、日本の風土や習慣から以前より暗く静かになってしまった人が多いというのです。
心にぽっかり空いた隙間を何とかして埋められないかと、そこで思いついたのがAtlasマンツーマン英会話の講師となり、外国語を習いたい日本人に教えることだったのです。
講師たちの出身地は、アメリカにイギリス、オーストラリアにカナダ、ニュージーランドにシンガポールなど40カ国以上に広がっています。年代は20代前半から60代まで、職業も大学院生、大学教授、弁護士、投資家、アーティスト、ジャズシンガーと多種多様です。
一方、生徒として利用する方も、金銭的な安さだけを求めてAtlasを利用しているわけではありません。一見、英会話スクールの代替え手段を提供しているかに見えるAtlasですが、個人と個人をつなぐことで、金銭的メリットのみならず、従来型産業では打ち出せなかった新たな「価値」を利用者に提供しているのです。
これが、Atlasマンツーマン英会話が成長している本当の理由なのです。特に、大阪と名古屋では、市役所などが協力的だったことも手伝い、Atlasは急速に広まっています。生徒入会数は1年間で2割も増えているのです。
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