子供に何かを学習させるのは、本当に難しいものです。
Atlas KIDSに習いに来ているお子さんのお母さんが、「ウチの子、上達は順調でしょうか?」とご相談に来られると、大変お応えするのは困るのですが、小学生くらいなら何とか「最近、チョー英語楽しい?」と不自然な若者ことばになったりしてしまいます。つまり、モチベーションが最初から低い子供の関心をどう引き、どう意欲を持ってもらうか。これが問題なのです。英語学習の場合もそうです。
「マンツーマンレッスン終わったらキャンディーあげようね」といったストレートなごほうび作戦は、Atlas KIDSではあまり使いません。ごほうびそのものは悪くないと思うのですが、次に褒美がないときにガッカリされたりすると、こちらが「やっぱりキャンディー目当てか」と落ち込んでしまうからです。それに、子供の要求は、だんだんエスカレートしていくものです。
では、マンツーマンレッスンの場合はどうやって学習意欲をかきたてるのか。それは、どうしても教室に来ないとできない「何か」を用意しておくのです。最初はもちろん、その「何か」はゲームや絵本でもかまいません。それじゃ褒美と同じじゃないの、と言われそうですが、そこに来ないとできないという点で少し違うのです。
そうやって「ねえ、これ貸して」「ダメ、やりたかったら来週もまた来てね」とモノで釣っておいて、そのうち診察の場で教室で生徒と会い、話をすることそのものが通ってくる目的になるのを待つのです。この最初はモノに、そのうち中身にと関心をシフトしていく作戦で、だいたいの場合はうまくいきます。
![子供と一緒に成長できる企業に](image/muryoutextimage3.jpg)
子ども向けテキストを開発している企業の社員から、「大切なのは、その子供と一緒に成長するという姿勢」と教えてもらったことがありました。英会話の先生が上から教えるのではなくて、子供と同じ高さの目標に立ち、ときには子供と競い合うような場面も必要だ、というのです。
それを聞いてからAtlasのカウンセラーとネイティブ、日本人講師全員が、レッスンブースなどで子供と会ってゲームをするときなどは真剣に対戦し、負けたら本気で悔しがるようにしました。そうするうちに、こちらも子供から教わることがたくさんあることにも気づいたのです。おそらく英語学習でも同じ、「こっちのほうがあなたより何百倍も経験、知識があるんだから」という態度は、子供を委縮させ、やる気を下げてしまうだけでしょう。
ごほうび的なモノから入ってもOK,でもだんだん中身のほうに関心がシフトしていくように導く。その場合も上から「教えてあげる」のではなく、「これ面白そうだから、私もやってみようと思うんだけど、一緒にどう?」とあくまで対等の立場で。それでも子供が「勉強はイヤ」という場合には、くれぐれも脅したり怒ったりしないように。
最初はモノに、そのうち中身に。それと、子供の意欲を高めるためにはまずはおとなが意欲を持たないといけません。