日本の英語教育界には「日本人の英語はダメだ!」と言い続けたい人たちが大勢います。それは、英語ムラの住人たちです。日本人は英語ができない、でもできないと生きていけないと思わせることによって、大きな既得権益を手に入れるのです。
十分な議論がなされることもなく始まってしまった小学校の英語授業ですが、コミュニケーションを体験させる場面として例に上げられているのは、買い物に道案内です。あまりに陳腐ですが、しかしそんなことは英語ムラの住人にはどうでもいいことです。
とにかく小学校でも「英語やらなきゃいけない」というシステムがあればいいのです。その結果、どういうことが起きるのかというと、 児童英語学会みたいなものができて、文科省役人の天下り先が増えることになります。
本屋へ行ってみればわかりますが、子ども向けの英語本がどれだけ増えたことかがわかります。まず、教材会社が儲かり、大手の英会話教室などが儲かります。子ども英語を教える資格取得の講座も展開してぼろ儲けしているのです。
一方、英語ムラの住人の犠牲になる人は、現場の先生、子ども、その子の保護者です。子どもは以前より英語ができなくなります。なぜなら、できないと刷り込まれる時間がさらに増えるからです。
現場の先生は以前より負担が増えることになります。日本で生まれ育っただけで英語など全く使ったことのない先生が、突然教える側にまわらなければならなくなります。そして、保護者は以前よりも英語も小学校の時から英会話教室でやるべきなのかと、金銭面の負担が増すばかりです。
お店屋さんごっこや道案内をするために、他教科の授業を削り、先生に丸投げで始まってしまった小学校英語ですが、無責任ここに極まれりになっているのが現実なのです。 |