北海道の道都・札幌は世界でも有数の清澄な美しい都市です。北海道の玄関口である札幌駅を降りると、目の前にガラスを多用したビルが目に入ります。札幌駅前合同ビルの最上階はAtlasマンツーマン英会話の本社があります。名称をWebマーケティング事業部と呼んでいます。
アトラス株式会社の社長ピーター・ヨネナガは札幌生まれで7歳から27歳までカリフォルニア州で過ごした経験を持つ日系米国人です。2001年に来日し、Atlasマンツーマン英会話を創業しました。
まず、札幌駅と大通の隣接した繁華街で同時開校したのは意図的です。それぞれの街で十分に市場があり、どちらの街でも単体の教室名で成功する確信を持てたからなのです。どちらかを先に開校すると、たとえば大通付近の会社に勤務する人が札幌駅にあるスクールにわざわざ行かないと行けなくなるなど、お客様にご迷惑をかける可能性があります。両スクールで成功する見通しがあるなら、最初から同時開校でもいいと判断しました。
Atlasは日本で現在7校を展開していますが、これを2022年までに20店へと倍増させる計画であります。2017年には大阪難波、福岡天神、札幌円山に新規開校を検討しています。ただ、東京23区など、都心の新規開校はないかもしれません。運営コストにはね返り、それが会員の購入するサービスにはね返るのは、一番避けたいことだからです。Atlasの価値や品質を正しく伝えるには、開校は地方都市にならざるを得ないのです。
幸いにも市町村側からのアプローチも多くあります。地元の雇用が多く生み出せるとみているのです。実際、Atlas一校で、少なくとも100人は新規に雇用します。加えて、地域ナンバーワンの賃金水準や福利厚生がある上、正社員比率が高いのも特徴的です。
語学スクールは一般的に正社員比率が低いですが、Atlasでは、語学カウンセラーの全員を正社員として雇用することを決めており、各自治体にとって、Atlas進出はベネフィットが多いのです。
教室倍増計画というこれだけ強気な計画を立てられた理由は、高品質なマンツーマンレッスンとサービスを低価格で提供し続けるという、Atlasのビジネスモデルが日本で浸透し、会員の獲得につながっていると確信できたからなのです。
月会費は4000円かかりますが、これが経営の柱になっています。それによって、各種経費を削減でき、マンツーマンレッスンを低価格で提供することを可能にしているのです。さらにこれを継続できるのは、Atlasが全国に展開しているからであり、全国各地で強大な購買力があるからです。
大手スクールなどとは、抜本的にビジネスモデルが違います。大手スクールは経営のブレがあったのが敗因ではないかと私どもはみています。一方、Atlasは展開している札幌、横浜、名古屋、大阪エリアどの地域においても、成長しています。よく外資といわれますが、まったくビジネスモデルやスタイル、考えが違うので、比較にはならないのです。
日本の人口は減少しつつあり、2050年に1億人を割ると予想されていますが、それを見込んでも、マーケットリサーチすると、日本では成功する要素があります。日本は世界で3番目の経済大国であり、そうした意味でも、潜在能力があると本社はみています。大手スクールと比較しても、速いスピードで成長を遂げているという評価なのです。
新規会員獲得とともに、当然、継続率も重要です。日本に進出した15年以上前の参入当時と比べると、確実に数値はよくなっており、毎年1~2%ほど改善しています。
Atlasの新規開校エリアはまだ限られており、場所というのは、更新しない理由に挙がってしまうのは確かにあります。たとえば、日本1号校である札幌大通LSは、会員を継続更新しなかった方が多かったのです。ただその後、約1キロ離れた札幌駅前LSが新規開校した途端、多くの方が入会しており、履歴をみると札幌大通LSで会員だった方が多いのです。近隣にできると入会し直してもらえているということなのです。
もちろん、距離が遠いからといって、更新しないわけでもありません。遠距離の方は、月に1回通ってきて通常の3倍の3時間レッスンを受けていかれます。1回の通学で月会費3000円の元手は取れるという計算になっているのです。その価値がわかっている会員は、家から遠いとしても、距離が障害になるということはないのです。
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