前回の続きですが、語学スクールの運営者として安倍首相の英語力についてさらに考えてみると、どう考えても安倍首相の英語力は高いと思わせている人たちがいるように思えるのです。そして、安倍首相に海外の至るところで英語スピーチをさせているのでしょう。
当然、安倍首相は英語でスピーチをするために相当の時間とエネルギーをその準備に費やしていると思います。結果として、安倍首相の英語力が向上するというメリットもありますが、しかし、安倍首相に英語のスピーチをさせるのであれば、もっと厳しく英語を指導したらどうでしょう?
特に、発音というよりも、全体として自然な英語に聞こえるようにアクセントの置き場所に注意を向けさせるべきです。それに、単語を途切れ途切れに話す癖があるので、なかなか自然な英語には聞こえてきません。どう考えても安倍首相の周り(内閣や官僚、関連企業)には耳触りの良いことしか言わないというか、ゴマすりが多いように思うのです。
それは英語のことだけではなく、経済のことに関してもこれまでアベノミクスの評価が比較的良かっただけに、本人には耳触りの良いことしか報告されていないのかもしれません。安倍首相は、前回のダボス会議で記者からアベノミクスについて質問され、またゴルフのたとえ話をしていました。今までの金融政策は、「バンカーに打ち込んだのにサンドエッジを使わずパターを使っていたようなもの」。つまり、サウンドエッジを使わないのは、インフレを警戒しすぎたと語りました。
安倍首相は、インフレなんて警戒する必要はなく、それどころかマイルドなインフレを起こすことの方がむしろ必要なのだとそう言いたいのでしょうが、この先、物価が急激に上がることによって国民がどれほど不満を吐くことになるかということが分かっていないようです。
2014年4月から消費税が8%に増税し、その後、物価は少しずつ上昇しています。恐らく今年末の物価上昇率は前年比で3%以上になるでしょう。その程度ならマイルドなインフレですが、しかし、必ず国民はそうして物価が上がることに文句を言い始めるかもしれません。
さて、先日、話題を集めていたオリバー・ストーン監督作品の「スノーデン」をようやく観に行くことができました。映画では終盤に、日本がアメリカの同盟国ではなくなった時、つまり影の支配構造に日本が従わなくなった時、日本の民間のインフラに侵入させてあるマルウェアを作動させ、電力網を中心とした生活インフラを完全に停止させるという内容がありました。
エドワード・スノーデンは、2009年から2010年の2年間、CIAの職員として日本の横田基地に勤務していました。マルウェアのことはその時に知ることになった事実だと、映画「スノーデン」では次のように語られています。
「日本の通信システムの次は、物的なインフラの乗っ取りに、ひそかにプログラムを送電網やダム、病院にも送り込んだ。もし日本が同盟国でなくなった日には、彼らは終わる。」
このように語り、映画では日本列島から電気が消える場面になります。そしてオリバー・ストーン監督は、次のように発言し、インタビューを締めくくっています。「日本はすばらしい国だ。文化だって。ただひとつだけ問題がある。日本は昔持っていた主権がない。アメリカの衛星国であり人質なのです。」
特に日本のマスメディアでは、このような情報は人工地震と同じく陰謀論として見られ、まともに報じられることはありませんでした。しかし、アカデミー賞を受賞し、アメリカのリベラリズムの代表的な人物でもある映画監督、オリバー・ストーンの映画作品「スノーデン」ではスノーデン自身の証言として、この事実が語られているのです。
もちろん映画「スノーデン」は、トランプ大統領誕生のはるか以前に製作されています。オリバー・ストーン監督のインタビューでは、9回ほどスノーデンと会ってインタビューしたとあり、トランプが泡沫候補として立候補したばかりの2015年頃に製作が始まっていたようです。
しかし、問題は日本のマスメディアの伝え方です。これまでであれば、たとえ映画の証言であっても、日本の民間のインフラにマルウェアが仕掛けられているということを、事実として報道することはできなかったはすです。今回は、主要なニュース番組のひとつであるニュース23がこれを大特集し、注意を喚起しました。これを見ると、やはり日本の支配構造に深刻なほころびが出てきていることがはっきりとわかります。
日本の上映公開直前、オリバー・ストーン監督は映画のプロモーションのために来日しました。記者会見の席上、独立系のジャーナリストが「マルウェアによって電力網が停止すると、原発は全電源喪失になるのではないか?」との質問に対し、「特にスノーデンは原発については発言していないが、イランの核施設にスタックスネットというマルウェアが仕掛けられ施設が停止したケースがある」と語り、日本の電力網インフラに仕掛けられたものもスタックスネットである可能性を指しています。
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