アメリカNBCニュースは2月10日、アメリカ国家安全保障局（NSA）や中央情報局（CIA）の元職員で、機密情報を内部告発したエドワード・スノーデン容疑者について、亡命先のロシアがアメリカへの身柄引き渡しを検討していると報道がありました。
ロシアにとっては、ロシア政府やプーチン大統領を擁護しているアメリカのトランプ大統領への、一種の贈り物になるというニュースです。しかし、スノーデン容疑者は、今回の引き渡し報道を率直に喜んでいるようなのです。
「結局これは、私がロシアの諜報機関と決して協力しなかった動かぬ証拠」と、スノーデン容疑者はツイートしています。彼はNSAの監視プログラムに関する機密文書を数千ページ漏えいさせ、反逆罪に問われています。今後アメリカでは厳しい刑務所暮らしになる脅威が待ち受けているのに、その口調は明らかに陽気なのです。
この事件は国際社会に激震を走らせ続けました。香港に潜伏していたスノーデンはロシアに政治亡命を申請しました。この政治亡命が申請されるのと相前後して、ロシアのプーチン大統領がこんな発言をしました。
「ロシアに政治亡命をしたいのであれば条件が一つある。それはもうこれ以上、アメリカをリークで困らせないと約束することだ」 これもまた、ロシアがスノーデンと取引し、全ての極秘情報を獲得したから、こんな発言をしているかのように思えなくもありませんでした。
後から極秘活動を告発されても「自分たちがやったとも言えるし、やっていないとも言える」ように動くのです。仮にスノーデンがどこかの国の二重スパイであった場合はもとより、ロシアが関わっていた場合でも、アメリカCIAにどのように働き掛けたのかは永遠に闇の中なのです。
しかし、こうした一連の騒動を見ていてそうした印象とは違うものを感じるのです。なぜなら、プーチンが述べた言葉は、素直に取ると「もうこれ以上、アメリカを非難するな。こちらロシアにもとばっちりが来るかもしれないのだ」という意味に取れるからです。そこには無敵であるはずのアメリカが、実は何におびえているのではないかという疑惑が見えてきます。
なぜこのようなことを言うのかといえば、私自身、同じような体験をしたことがあるからです。私は、アメリカ連邦政府の職員として勤務していたことがありました。しかし、これでは本当の意味で問題を解決することはできないと現場で強く思うようになり、本来行うべき会員制語学スクールの運営を実現するため、長年暮らしたアメリカを自らの意思で2000年に飛び出したのです。
以来、日本全国様々な媒体で発言をし、語学教育業界の範囲内ではあれ幾つかの重要な発言もしてきたつもりです。私自身は正しいことをしていると確信しているので恐怖感を持つことはありません。もちろん、私も何の後ろ盾がなくこのようなことを始めたわけではないのです。
実は人脈ネットワークとの出会いを通じ自ら確信できたのですが、これからの日本のトレンドであり求められていることが教養と知識、そして語学力なのです。徐々にそう確信するようになった私は日本でこの新しい流れに乗ることにしたのです。
それではここで言うある人脈ネットワークについては詳しく語ることはできませんが、あえて言うなら日本人だけでなく、多くが日本以外の外国人である人的ネットワークです。少しずつ知ったその世界には情報と資金、そして知性と歴史感覚が溢れています。私は探し求める中でそうした世界に迷い込んだのですが、そこで一度得た方向感覚のまま進んできて、これまでのところ大きな問題はありません。
仏教徒であり、2年も日本に住んでいたことで日本語も流暢に話すことができるスノーデン、そしてウィキリークスでアメリカを震撼させたジュリアン・アサンジですが、彼らを見ているとそんな自分の姿を、ついつい重ねてしまうのです。そして、国家を越境した人脈ネットワークは一体これから世界をどこまで変えようとしているのでしょうか。
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