アメリカのトランプ大統領と日本の安倍首相は、約1ヵ月前の2月10日に約40分間にわたって日米首脳会談を行い、その後、共同記者会見を行いました。
メキシコの壁の建設からイスラム諸国の入国禁止まで、即座に行動してきたトランプ大統領が、今回の首脳会談では、言及されるはずだった日本の為替操作について、一切言及されなかったことがここに来て改めて注目されています。
まず、日本国政府は首脳会談直前まで、一切の為替操作は行なっていないと公的に発言してきました。その意味と仕組みを、あらためて振り返ってみたいと思います。まず、2013年に400兆円を超える日本の政府系金融機関が、米国債をいくつかのヘッジファンドから大量に購入しました。
そのヘッジファンドが、今度は密約のもとに日本株を購入し、その結果、株式市場が暴騰し、円の先物売りを行ないました。これにより、アベノミクスと呼ばれる政策は、短期間に物凄い効果をあげたように演出されることになりました。
その後、このような裏ワザが当面続き為替と株価が維持され、その原資は、次々と発射される日銀バズーカと呼ばれる金融緩和から派生することになるのですが、安倍政権になる前の日銀総裁だった白川氏は、この裏ワザにとても同調できない、独立性が失われるどころか、国家財政危機になるとの理由から、任期満了まで3週間を残した状態で辞任しました。
そして、安倍政権の裏ワザを容認し実行する黒川氏に引き継がれることになりました。しかし、いつまでもアメリカ系ヘッジファンドも、日本の出来レースともいうべき裏ワザに付き合っていられません。徐々に売り越し、そうなると株も為替も大きく変動してしまうことになりかねません。
そこで、政府系金融機関が今度は直接日経255を中心に株式購入をはじめることになります。その結果、あまりに多くの上場企業の筆頭株主として、政府系金融機関の名が突然浮上することになりました。もはや、日本の実体経済と株式市場が大きく乖離しているのは言うまでもありませんが、このような裏ワザが続けられるのも、長くてもあと1年半だと思われます。
なぜなら、そのアベノミクスはすでに失敗し、インフレ目標も達成できず、ついにはマイナス金利まで陥ってしまったからです。さすがに、あと1年半で原資が底をつく見通しです。このアベノミクス全般の仕組みを、トランプは為替操作国と話しているのです。
さて、今回の日米首脳会談で、もっと議題の焦点となるはずだった為替については先送りにされ、今後、水面下の交渉となりました。その上、日本はそれ相当のお土産を持参したと言われています。それは、政府系金融機関だけでなく、民間の金融機関および日本の大企業からアメリカへの100兆円を超える投資の確約ではないかということです。
次々と有言実行しているトランプ大統領が、多少のことでは納得しないのは、誰もが理解できるところです。当然、それ相応のお土産を持参したと見て、まず間違いありません。そして、その結果は誰もが数年後に別の形で理解できることとなるでしょう。ちょうど高値でウエスチング・ハウスを買った現在の東芝の惨状のようにデフォルト(国家債務不履行)に陥ることになるでしょう。
もう一度振り返ってみると、2013年に400兆円を超える米国債を大量に購入したのは政府系金融機関が購入したとあります。これは、つまり民間の金融機関が購入したことになり、日本国が購入したことにはなっていません。しかし、実質的には日本国が購入したことになっています。
この原資は、公的年金と郵便貯金がほとんどですが、そもそも日本政府に、そのような巨額な予算も資金もありません。他年度の分も合わせると一体どれだけの巨額になるのか計算してわかったことですが、いずれ、日本国民の貯金の大部分は消えてなくなるということです。
しかも、他国に50兆円異常もお金をばら撒いていていることで、日本国民の社会福祉や社会保障はどんどん削減されています。それを紙屑同然の米国債を国民のお金を使って無制限に購入していることを考えると、日本政府が公的年金からお金を引き出しても全て、一般外収入として計上され、国会でその収支報告をする義務がないのです。つまり、好き勝手にお金を使えることができるのです。
この仕組みを作ったのは、アメリカの指示のもと、財務省官僚が作成し、政治家が承認したわけですが、この恐るべき秘密を政治家は誰も問題にはしません。とにかく、日本国民のお金と日銀によって、アメリカに貢ぎ続けています。しかし、こんな事が永遠に続くことはなく、破綻することになりそうです。
日本国が、IMF管理統治下に置かれることは、シナリオとしてあり計画通りに進められています。この事実を告発する政治家やメディアはほとんどいません。メルマガは寸止め記事ばかりで、真相が語られることはありません。メルマガ関連のサイトも権力機構の中の一部に過ぎないのだとの認識が必要になっています。
莫大な量の円が刷られ、そして、その円で米ドルを買い、その米ドルで米国債を買う。このようにして、米ドルと米国債は維持されてきたのです。そのような仕組みでは、日本国民が経済的に豊かで幸せになれるわけがありませんが、それを猛烈に推進しているのが、現政権です。
日本は米国に、最低でも累計945兆円を貸しているのに、それが返済されていません。日本が保有する米国債は、恐らく、2千兆円は超えている可能性もあります。つまり、アメリカがデフォルトすると、海外の米国債は保障されません。つまり、ただの紙屑になるということです。
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