企業経営について日々考えていると、その人にあったマネジメントや考え方をどう伝えればいいのかに突き当たるものです。
最近では、引き寄せの法則についての書籍が多数出版されており、「上げは下げのためであり、下げは上げのためである」というマネジメントやマーケット、そして森羅万象から宇宙までをも律する復元力の原則のことを示しているようなのです。
つまり、私が「これから経済崩壊が来る」、「大きな地震が来る」などそのような話を書くと、「そのような警告をするな!」と、いうリツートがあり、さらに、「そのようなことすると逆に災害を引き寄せてしまいますよ」と、言ってくる人がいるのです。
昔も今も、大手英会話スクールのマネジメントは、どこの宗教の信者なのかはわかりませんが、いわゆるスピリチャルな思考のポジティブ病が蔓延しているのがわかるのです。彼らのマネジメントでは、「ポジティブ。プラス思考で。ポジティブになれ!」という手をよく多用しています。
ポジティブハラスメント。略してポジハラと呼ぶのかどうかは別にして、そのような教えを広めているのは、どこかの誰なのでしょうか?それにかなり近い手法では、「あなただけにそっと教えます!夢を実現する必殺の引き寄せの法則!セミナー料1回○万円」などというものでしょう。
繰り返し言いますが、「ネガティブになるとネガティブなことを引き寄せてしまう」と、いう意識状態ではポジティブとは言えないのです。そこで思考法に矛盾があることにどうしても気づくことができないのです。これでは、引き寄せの法則を誤解してしまいます。
当然のことですが、大半の人の人生は思い通りにならないものです。夢は諦めることが多く、苦労はいつまでも増えるものです。また、毎月の支払いは増え、家族からの小言は増える一方です。そして、それに反比例して給料が減っているのが現状なのです。さらに、テレビのニュースでは毎日、頭に来ることばかりを報道しているのです。
このような人生をどうにかしなければと考えれば考えるほど、その人は頑張るようになり、結果としてそれが仇となって失敗してしまうのです。実のところ、それはポジティブ思考ではなく、ネガティブ思考でしかないのです。例えば、英語の勉強や仕事でも頑張れば頑張るほど失敗することがあります。
一方、本当に好きなことを一生懸命にすると成功することがあります。例えば、スポーツや習い事、旅行などの趣味がそうですが、結果ばかり気にしてるとなぜか楽しくなく身になることも少ないのです。逆に勝ち負けなんて関係ないと、そうやって結果を気にせず喜々として楽しんでいるとなぜか仕事に使えるようになるのです。
これはとても不思議であり、非常に悔しいことでもありますが、人の人生にはそのような傾向があり、そういう法則があるようなが気がするのです。押せば押され、引けば引かれるというのが引き寄せの法則と読んでいるだけのことなのです。
仏教では色即是空と呼ぶそうですが、この世はポジティブな場所でもいいし、ネガティブな場所と考えてもいいでしょう。それで、勝手に自分は何にも持ってないと認識すると、あれも欲しいこれも欲しいと思うと、さらにその通りになり、何も持てない状態が続いていくのです。
一方、あれもこれも持っていて幸せだと認識をすると、その思いはその通りになり、そのまま幸せな状態が続いていくのです。つまり、ポジティブだとかネガティブだとかで頑張ってる人というのは、単に鏡の前でパントマイムをしているに過ぎないということです。そのような認識は今ここで全て捨てるべきなのです。
大手英会話スクールの大半が「ネガティブ思考禁止。プラス思考で考えろ!」と社内で唱えた結果、2007年のNOVAや2010年のジオスのような倒産劇が起こったのは言うまでもありません。
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