いわゆる仮想通貨のビットコインの取扱業者が、日本国内において3年ほど前に民事再生法の申請をしました。一時、大問題になりましたが、日本での取扱いは一部であることから、世界中で取引されているビットコインは大丈夫なようです。
しかし当時の政府は過剰反応し、ビットコインに対して公式見解を発表しました。公式見解の発表は世界中で日本だけでした。要するに、ビットコインは通貨には該当しないということで、銀行や証券会社が扱うことを禁止し、取引に伴う売買益は課税対象となるというわけです。課税については、所得税や法人税、消費税を例示した上で課税対象となるとして、一件落着としました。
2017年3月31日以前、欧米をはじめとして、このような見解を出したのは日本だけでした。極めて近視眼的発表であり、欧米からは軽んじられているようです。そもそもアメリカのIRSはどのような考えかと言うと、ビットコインは金のようなコモディティなのか、通貨なのか、株式のようかキャピタルアセットなのか、それとも物々交換なのか、オフショア口座になるのか、現在研究中としているコメントしか発表していません。
例えばFacebook創設者のマーク・ザッカーバーグに対し、ソーシャルネットワークのアイデアを盗んだとして訴訟を起こし、一部勝訴したキャメロン&ウィンクルボス双子兄弟がビットコインを投資目的としたウィンクルボス・ビットコイン・トラストというファンドの組成手続きをしており、SECへ申請中です。
その中で、IRSの反対がなければ、ビットコインは通貨ではなくキャピタルアセットとして取り扱うとしています。すでに6回ほど却下されていますが、そうなると株式売買損益の発生が起きます。日本政府の発表には全く触れられていませんが、実は欧米諸国が一番注目しているのは次の点です。つまり、ビットコインにオフショア口座報告の規則が適用されるかどうかです。
アメリカでは国外に1万ドル以上の預金をすればIRSに報告しなければなりません。しかしビットコインは仮想通貨であれば、タックスヘイブンの重要な要素である匿名及び非課税ということになり、IRSはアメリカ人が隠蔽してきたオフショア口座を次々に暴き成功を収めてきましたが、ビットコインに関しては暴きたくても暴こうとする銀行がないのです。ここに大きな複雑な問題が潜んでいて、日本政府が発表したような見解は、まさに次元がづれているのではと、欧米は見ていました。
ところが、仮想通貨関連法案(銀行法施行令等の一部を改正する政令等)が、2017年4月1日から施行されました。仮想通貨取引所に登録しているユーザーには、各取引所から郵送による本人確認等の義務化など連絡が入っているかと思います。
3月25日から施行される一部については、仮想通貨交換業者関係である、取引所の登録や届け出等についてになります。業務が遂行できるかどうか法人として体制が整っているかなど、厳しいと言われる規定をクリアしていなければなりません。
すでに運営している国内の仮想通貨取引所は事前に準備されているとは思われますが、全ての取引所の動きが把握できません。現在ご利用になれている取引所から本人確認のメールや公式ページでの公開など、何らかの動きがあれば、業務は遂行されているのではないかと推測いたしますが、一切連絡もない公開もないというのであれば、念のため確認されることも安心材料につながるかと思われます。
いよいよ資源の裏打ちされた「ビットコイン」が、7企業から発行されますので、巷にあふれているビットコインは、消滅してしまう可能性があります。一番大掛かりなのは、バンクオブアメリカ・メリルリンチなど欧米豪の金融期間と中国の銀行群、さらに日本ではソフトバンク=みずほ銀行=三菱東京UFJ銀行連合が、発行するビットコインです。この法令により、「ビットコイン所有者」をあぶりだし、課税されることになりそうです。
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