最近、つくづく思うことは、私たち日本人が、特に日本株市場の度重なる暴落によって、すっかり臆病になってしまったということです。2016年の年初や6月のイギリスEU離脱、そして11月のアメリカ大統領選がまさにそうでした。
数年前、NISA相場と銘打って始まった2014年頃の日本株市場でしたが、それからしばらくして明らかになったのは、時に崩落を伴う極めて不安定な市場という実態でした。そうした中、一貫して日本の株式を派手に売り始めたのが欧米の外国人投資家でした。まずはフランス、そして次にイギリスの投資主体たちが、続々とこれ見よがしに日本株を投げ売り始めたのが2015年だったのです。
そこで最大の被害者となったのが、私たち日本の個人投資家であり、失われた25年やリーマン・ショックによる急激な円高によって私たち日本人はあまりにも臆病になっているように思うのです。そのため石橋を叩いて渡るものの、橋が叩き割られる直前にしか絶対に渡るまいとあらかじめ心に決めてしまっているようです。
もう一つ、不思議なのが私たち日本人の持つもう一つの習性であり、流れができてしまうと完全に思考停止し、我も、我もとその方向に走り出すという習性です。しかも個人は慣れない株式の信用買いに走ってしまっています。
外国人投資家たちはそうした日本人投資家の行動パターンをよく熟知しています。日本の個人投資家にとってはそもそも関係のない日本の裏側で起こっている紛争やテロ、難民問題を理由に市場を揺さぶっては、個人投資家が持つ日本株を放出するよう促し続けてきました。それにより最後の最後まで個人投資家が翻弄され続けています。そうやって安値で手放される日本株を、今度は外国人投資家たちが全力で買い集めるのです。
2017年4月、また再び日本株高騰が見え始めています。明らかに疑心暗鬼となったままの個人投資家を後目に、まずは欧米の投資主体ら外国人投資家が昨年末より日本株の上昇をマスメディアを操作し、演出し始めています。彼らは日本の公的・準公的マネーが日本株買いに走らされるのを知って、そのように動いているのです。
これから起きるのはまた同じようなパターンです。疑心暗鬼であった個人投資家の懐具合もここ数カ月で温かくなり、時間にも余裕ができると再び市場へと向かうでしょう。そこには魅力的な日本株高騰という蜜が待っていて、多くの個人投資家が、これを貪り食うのは目に見えています。
しかし、その向こう側では来年2018年の春以降を目途に、リスクが山のように集積して来ています。アメリカのトランプ大統領の希望は円高ドル安転換であり、それが現実になった瞬間に市場は阿鼻叫喚の修羅場になるかもしれません。その時、ようやく個人投資家は気づくでしょう。このコラムを読んで一人でも多くの個人が目覚めることを心から祈ります。
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