11月10日に「ビットコインのハードフォーク、Segwit2Xキャンセル」という速報が流れました。この速報は確かなものとして世界中の仮想通貨ニュースサイトが「ハードフォーク、一時中断」と報道しました。これで、2MBにハードフォーク(=Segwit2X)して、ビットコインをアップグレードするというニューヨーク合意の執行は本当に延期されたのでしょうか。
これまで、Segwit2X支持派が8割以上と圧倒的優位を保っており、彼らが合意したとおり本当にハードフォークが実行された場合、ビットコインから分岐されるB2X新コインには、リプレイ・プロテクションが実装されないので、ビットコイン消滅が現実の問題とされていました。
しかし、Segwit2Xのプランナーたちが、ビットコインを潰してSegwit2Xを今後のメインストリームにしようと画策していたことが明らかとなってからは、コア開発者だけでなくユーザーからも批判の声が日増しに高まってきたため、Segwit2X支持派のマイニング事業者たちが一時中断したわけです。
ところが、Segwit2Xのカウントダウンページは今も時を刻んでいます。また、Segwit2Xに賛同している世界中のマイニング量がどれほどあるのか一目で比率が分かるサイトも削除されていません。実際に、Segwit2Xを支持するマイナーたちが80%もいると言われています。
そもそも、一時中断と明記されていることでSegwit2Xが完全に潰えたというわけでもなさそうです。いずれにしても、やはり11月16日が過ぎるまでは警戒の手を緩めることはできないようです。しかし、ビットコインの高値は現在も続いています。一時は87万円台まで上昇しましたが、変動しながら比較的に落ち着いた値動きになっていてパニック売りが起こるような気配はありません。
アメリカ大手の投資銀行ゴールドマン・サックスも楽観的な見通しを出しています。「仮想通貨ビットコインは8000ドルに到達するかもしれないが、これが当面の高値になる可能性がある」と、ゴールドマン・サックスのアナリストは予想しています。
シェバ・ジャファリ、ジャック・アブラモウィッツの2人のテクニカルアナリストは配布したリポートで、この水準を超える上昇に賭けることに対して世界中のトレーダーに注意喚起しました。ビットコインはこの1カ月でドル建てで5000ドル、6000ドルと急ピッチで上昇しています。
ただ、ゴールドマンサックスのアナリスト達は上昇がいったん止まっても、ビットコインはさらに高値を目指すと楽観的な見方をしています。アナリスト達は今回もエリオット波動理論に言及し、「上昇5波のうち依然として第3波にすぎない。これはビットコインが時間をかけながらさらに上昇する可能性があることを示唆している」と指摘しています。
一方、ウエブボットのレポートに掲載された予測と比べると、「アメリカやEUで市場の規制が緩和される事態が発生するので、どこの市場も歴史的な高騰を記録する。この高騰はドルの価値の下落を反映した高騰でもある。このような状況でビットコインは6800ドル(74万8000円)まで高騰する。この高騰の後、ビットコインの相場は一度大きく下落する。38%ほどの調整となる見込みだ。ただこの状態は長くは続かず、数日後には元の価格に回復する。そしてまた上昇過程に入るものの、再度暴落する。ただこのときの下げ幅は21%程度になると思われる。その後は、2018年2月末の13800ドル(約152万2000円)を目指して上昇する」と指摘しています。
「規制が緩和される事態」とは、アメリカのシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)によるビットコインの先物取引の解禁のことだと推測できます。なぜなら、解禁とは規制緩和のことだからです。しかし、すでに74万8000円の水準は軽く突破してしまっています。
ここで予測された値動きは的中する可能性もありますが、ゴールドマン・サックスの予想では、上昇はいったん止まると述べています。つまり、下落する可能性もあるというわけですが、下げ幅はウエブボットの予測のように38%ほどの調整となるのなら40万円台後半から50万円台前半ということになります。
そしてゴールドマン・サックスのレポートでは、ビットコインが時間をかけながらさらに上昇する可能性があるとしており、これも2018年2月末の13800ドル(約152万2000円)を目指して上昇するとするウエブボットの予測とも一致しているように思います。
つまり、Segwit2xによる分岐が発生する11月16日前後に一度大きく下落し、その後、また急上昇するということなのかもしれません。
※本コラムは、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。金融商品の売買は購読者ご自身の責任に基づいて慎重に行って下さい。弊社は読者が行った金融商品の売買についていかなる責任も負うものではありません。
|