2008年に起きたリーマンショック以来、政府日銀や欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和政策によって、株式市場、債券市場、不動産市場、絵画をはじめとする美術品市場など、ありとあらゆる市場がバブルになっていることが報道されています。
株式市場や通貨の暴落というのは、バブルかそうでないかの議論を超えて、もはや時間の問題となっていることは誰の目にも明らかになっていると思います。
例えば、アメリカ連邦準備制度(Fed)が利上げをやめて、量的緩和を再開することになれば、間違いなく日本もこの経済崩壊に巻き込まれ、日銀の傍若無人な金融政策のツケを支払わされることになるわけです。
そもそもバブルかどうかが判明するのは、世界規模の経済崩壊のニュースが地球を一周し、人々の資産価値が大幅に減っていることに気が付いた時でしょう。世界中のマスメディアやエコノミストたちは、さらにその数ヵ月後か数年が経過してから「あの時はバブルだった」と認識するようになるわけです。それが起こるのは、2020年か2021年なのかはっきりした時期はまだ定かではありません。
では、それまで残された時間に私たち日本人は具体的に何をすべきなのでしょうか?
それにはまず株式市場の官製バブルが終わる前に株式市場から抜け出す必要があります。そして同時に、その流動性が喪失する前に債券市場から抜け出すことです。さらに、借金をできるだけ減らしておくことから始めるべきです。
中には、「ハイパーインフレが来るのであれば借金の返済をそれまで伸ばしたほうが得だ」、という人がいますが、これは右肩上がりの経済が保証されていた頃の話であり、今後、先進国の中でも圧倒的なスピードで少子高齢化が進む日本では、市場の縮小にどの企業も追いつけなくなると考えられます。
また、近い将来に破綻が確実視されている年金制度には依存しないことです。それ以前に、日本政府が日本国民を助けるなどと考えるべきではありません。それよりも人工知能(AI)技術の導入によって仕事を失った場合を想定し、経済サバイバルの方法を考えるべきです。
さらに、長期の景気後退で逆にニーズが高まるビジネスが数多く台頭してくることが考えられます。ですから、将来性のない業種や会社に生涯をささげて骨を埋める覚悟をしたところで、その会社が消滅してしまう可能性があり、一つの仕事に固執しないことです。
すでに銀行預金に資産を一本化して預けておくことほど危険なことはなく、預貯金のある人は、少しでも金(ゴールド)に換えておくべきです。また、現物の金地金を買うだけの蓄えがない場合、5万円ほどの金貨でも良いでしょう。
いずれしても、世界中で流通が保証されているLBMA(ロンドン貴金属市場協会)公認の刻印がある現物に限ります。政府が比較的、追跡困難な金(ゴールド)以外であれば銀(シルバー)もありますが、銀(シルバー)の価格は金(ゴールド)の価格のおよそ80分の1なので、それだけ重量がかさんで持ち運びが大変になります。
また、東日本大震災にような大災害を予測して、家族や友人などとこうしたテーマについて話し合う機会を設けることで、困難な時期には助け合いによる信頼ほど力強いものはないと思います。こうしたことを書くと、ほとんどの人は気が滅入るはずです。
しかし、私にとっては絶望的な潜在的リスクを抱えているにも関わらず、目の前にある危機から目を逸らし、何も準備しない人々こそが最大のリスクと考えています。なぜなら、私は自分のことよりも他人のことまで救済方法を検討しなければならないからです。
私は45年間の人生の中で、そうした人々が社会秩序を壊し、国家を崩壊させてきたことを海外で長く暮らした経験から良く知っています。ですから、まずは家族や親しい友人と話し合うことから始めるべきです。
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