男女平等について先進国であるとのイメージが強いヨーロッパですが、あらゆる国別ランキングでも上位を独占しています。一方、日本では男女平等という意味では昔から下位にランクされているのが現状です。
そのような状況の中、特に若い世代が気になるのが「男性が女性におごる」という問題です。やはり、基本的にヨーロッパでは割り勘が普通という意見が多く、実際に40代になる前までは割り勘が支払方法として利用されているようです。
ところで、割り勘が当然とされているヨーロッパ人たちは、男女平等のために割り勘しているのでしょうか?
そもそも、欧米社会と日本社会ではお会計をする時の仕組みが異なります。日本ではレストランなどでは「お会計お願いします」と言ってレシートをもってきてもらい、お金をバインダーに挟んで店員に渡すか、居酒屋では直接レジに行ってお金を払います。
どちらにしても、基本的に支払いは一緒です。割り勘にする場合、すでにテーブルである程度お金のやりとりをしておいて、誰かがレジでまとめて支払うことになります。
一方、欧米では支払いはテーブル会計が基本となっており、「お会計お願いします」と言うと会計係が財布をもって現れ、「一緒に払いますか、別々ですか?」と聞いてきます。
別々に払う場合、頼んだものを口頭で言えば店員が計算してくれます。今でもそうですが、手書きで計算する店員が多いことからも、全ての商品の値段を覚えていることがわかるわけです。このように、そもそも会計の仕組みが異なっています。
そして、欧米社会では別々に払うからといってケチっているという印象はありません。自分が飲み食いしたものを自分で払うのが当然なことからも、それをケチっているという思考がないということです。
欧米社会では日本ほど食べ物をシェアする文化が皆無です。ここでも欧米と日本の文化の違いを感じてしまいます。なぜなら、日本ではどこで食事をしてもシェアするのが前提だからです。つまり、誰が何を何個食べたのかなど計算すれば相手に嫌われるのが目に見えているからです。
しかし、欧米社会では食べ物のシェアなどすることは一部を除いて目にすることはほとんどありません。日本のように小皿が出てきて取り分けて食べるようなことも私自身、ほとんど見たことがありません。
要するに、欧米社会では複数でレストランに行って、誰が何を食べて、何を飲んだのかが明確にする文化があるというわけです。そして本人も何を注文したのかをはっきりと覚えています。だからこそ、「自分で食べた、飲んだ分だけ支払う」という認識があるものと考えられます。
|