趣味も特技もない方は特にそうですが、留学中に家と大学の往復だけで4年を終える日本人留学生がいます。さらに、大学が休みのたびに日本に帰国するという方も多くいます。
それでも大学には友達がたくさんいるために生活をするための支障はないわけですが、せっかくならそれとは異なる現地のコミュニティーにも入る必要があると思います。
例えば、地域のスポーツクラブやスポーツジム、他の大学に通っている方たちと会ってみるというにも一つの手です。また、お酒を飲めなくても、もっとパーティーなどのイベントに顔を出すことだけでも生活に幅が出てくるものです。
アメリカに限らず、ヨーロッパなどのいわゆる欧米諸国というのは基本的に階級社会です。大学の世界しか知らないと表向きだけの社会しか見ることができません。
また、欧米社会は年齢によって経験したことが大きく違ってくる社会でもあります。両親世代が受けた教育も私たちの世代とは大きく異なる上、例えば東西ドイツの教育を受けた世代や、ベルリンの壁崩壊後に教育を受けた世代もいます。
アメリカでもアフリカ系アメリカ人の公民権運動時代に教育を受けた世代とグローバル化によるIT全盛時に教育を受けた世代では大きな違いがあります。だからこそ、留学中に様々な世代や立場の方と知り合うことも自分自身の幅を広げることになるというわけです。そうすれば、もっとその国のことを深く知ることができるはずです。
特に、ヨーロッパでは日本から来た留学生には優しいという傾向が見受けられます。なぜなら、日本人留学生はお金を落としてくれるお客様であるからです。しかし、その国に移住することになれば、その優しさがゲスト用であったことに気づきます。
つまり、留学生という肩書きがあるのとないのでは、その国での扱いが全く違ってくるということです。だから、留学生というその時だけの特別なステータスを盾に最適な肩書きをもっと活用するというのは大切です。
必死で英語や外国語を勉強することは大事ですが、それよりも留学生だから許されることは留学生であるうちに経験しておくべきです。留学生ではなくなればもう二度と社会的に甘えることができなくなります。
2年(カレッジ)や4年(ユニバーシティ)などの長期留学というのは、たいてい人生1回きりのぶっつけ本番勝負でもあり、卒業後に外国旅行に行くことはできても留学を何度も繰り返すのは非現実的です。だからこそ、やり残したことは残念と感じ、人によっては一生後悔することもあります。
いずれにしても、失敗や後悔もまた留学での学びではあるわけですが、あえて全ての人が同じ轍を踏む必要もないので、私が見た事をコラムとして残しておきます。
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