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実は能力が低いことを突きつけられつつある多くの日本人


いよいよ太陽黒点がゼロの日が続いていることで、季節の移り変わりとは別に寒さが増しているのがわかります。同時に、エネルギーが有り余っているとされる若者さえ動かなくなりつつあります。

 

最近特に、時間的プレッシャーがかかると思考停止する若者が増えているように思います。これは若者に限った話ではなく、40代以上でも露骨に現れている現象です。

 

しかも本番に弱く、仕事でお客様が目の前で待っていると焦ってしまい、ミスをしやすくなっています。具体的には、何度もおつりの計算を間違えることが増えており、書類を見落としたりすることも以前より明らかに多くなっているのが気になります。

 

ここでも、「自分はそこそこ無能である」という事実を突きつけられているというわけです。私たちは、実際の自分の能力の限界を知ることで、情けない気分になり、惨めで辛いことが増えています。それでもまだ自尊心によって自分を諦め切れないようです。

 

だからこそ、外国に飛び出そうとする若者が増えているというわけです。なぜなら、なるべく他者とは異なる方向に行かないと自分が無能であることがバレてしまうからです。同年代と同じ土俵では怖くてこれ以上戦えくなっているように見えます。

 

結局、多くの場合、何事においても逃げの姿勢で人生を歩もうとする若者が多くいるということです。ところが、もはや外国に行くだけのことで、通常とは異なる道を選ぶこと自体に社会的評価などありません。

 

当然のことではありますが、高校までは「優秀」とされている若者というのは、外国人として英語圏の大学に留学すると、「無能」として扱われるケースが多くあります。あるいは、日本の大学を卒業して社会人になった数か月後にそれが明らかになるケースもあります。

 

しかし、それでもその社会的評価を真摯に受け入れない若者がいます。教授や本当に優秀な同級生、上司などに優しく諭されることで、今度はその優しさに対して惨めに感じ、議論で上手く答えられない自分が情けなくなるわけです。

 

それでも多くの若者は上手に先輩に甘えて、できない自分を受け入れながらも前に進もうとしています。ところが、素直になる器がない若者の場合、現実に直面した時にどのように振舞えばいいのかもわからないというわけです。

 

「自分は無能だったんだ……」

 

この瞬間、完全な自信喪失が襲ってきます。その後は、自分の能力と器の天井をまざまざと見ることになり、優れた人間ではないことや周囲が期待しているようなこともできなく、理想的な有能な自分にはなれないと気づくことになります。

 

実は、そこからが重要です。なぜなら、自分が進む道の方向転換がしやすくなるからです。ただし、もはや積極的に自分が理想としてきた人間にはなれません。これまで自分にとって最も苦しまない道を歩んできただけで、自分の無能さを棚上げできる場所に逃げ込んだだけです。

 

このように、決して美しくはない人生を歩んできた自覚はあると思いますが、それで学んだこともあるはずです。それは、理想の自分が最高の姿であるとは限らなく、相応の幸せで人は満たされるということです。

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