最近、インターネット上でのコンテンツがメールマガジンと言う形で注目されています。さらに、それに関連するセミナーも各地で人気があるようです。例えば、「今後の株式相場の行方」や「ブロックチェーンの未来」などがあります。
セミナー自体は悪いものではありませんが、ここまでメルマガやがもてはやされるのは、マスメディアが本当のことを言わないからだと私は思います。セミナーについては日本の地域コミュニティーが機能していないからだと考えています。
セミナーについては賛否両論がありますが、私自身はこれまで無料のイベントに2,3度しか参加したことがありません。というのも、有料のセミナーというのは結構値段が高いからです。だいたい1回2時間程度で5000~1万円ほどします。
そのセミナー料を支払うとグループに参加でき、会員向けの記事を読んだり、運営者とコンタクトを取ることができる仕組みになっています。その主催者の多くは、インフルエンサーと呼ばれており、インターネット上で影響力を持っています。
そこに入会するのはそのファンや信者たちです。オフラインでは出入り自由ですが、オンラインではパスワードが必要なグループなので、外からはどんな内容なのかをチェックすることはできません。
要するに、地域コミュニティーでの活動ではなく、あくまでインターネット上か各地大都市の会議室内で有名人のお小遣い稼ぎや入会ツールというポジションになっています。アルファブロガーなどは、インターネット上で注目された途端に「先生」になることがあります。
当然、目的がはっきりしていて、モチベーションが高いセミナーもありますが、主催者の多くは専門家ではなく、素人に毛が生えたくらいのレベルです。そのほとんどが管理ができずに自然消滅したり、値段に見合うノウハウを提供できていないのが現実です。
具体的には、メルマガやセミナーでは以下のような条件が必要になると思われます。
・自分が提供するノウハウは再現性があるかどうか ・客観的なデータや論理に基づいているかどうか ・結果が出なければ責任をとる覚悟があるのかどうか ・そもそも主催者の実績は信頼できるのかどうか、の4つです。
そういう話になると、「全て自己責任」と言う主催者が多いのも事実です。ノウハウを売っているにもかかわらず、必ずしも結果を約束することはありません。このような無責任で曖昧な有料メルマガやセミナーに多くの人が殺到する現状を見ると、普通ではないように思います。
それにしても、適当に立ち上げられた意味のないメルマガやセミナーになぜ多くの人が集まり、わざわざお金を支払うのでしょうか?
その理由は、日本各地にある地域コミュニティーが機能していないからです。例えば、アメリカにはそれぞれの地域に集会場があって、そこにはスポーツクラブのようなものや写真、音楽などの趣味の集まりがあります。
興味のあるクラブに行けば、同じ趣味を持つあらゆる世代の方たちと週に一度は一緒に活動しています。参加費も安く、自治体が公的に登録をしており、会員定款もあるくらいです。そして、忘れてならないのはキリスト教国らしく日曜日の礼拝に参加することです。
他にも、ボランティアや公的機関が運営している移民のためのアダルトスクールもあり、語学やアメリカの歴史などを格安で学ぶことができます。
一方、日本ではこのような健全な市民コミュニティーの存在を感じることはほとんどありません。各地域に集会場や児童会館などはありますが、参加したことがある人を私は知りません。とは言え、一昔前は企業がコミュニティーの全てであったことからも必要がなかったとも言えそうです。
あくまでもアメリカが素晴らしい国というわけではなく、連邦政府と州政府があることで人口が比較的散らばっており、市民活動に参加することが盛んなことや、特にヒスパニック系アメリカ人が大家族であることなどでそれを可能にしているアメリカならではの理由もあります。
日本にも地域コミュニティーがあり、それぞれの専門家が地域に住む住民にワークショップやセミナーを開いたり、相談会をするのであれば、他県から来た主催者による有料のセミナーなどに行く必要もないわけです。
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