|
外国に住んでいると、それこそ様々なトラブルが起こるものです。そして、日本人は現地在住の日本人に助けを求める傾向があります。しかし、それを見越して日本人を騙す在留邦人がいますので注意が必要です。
特に、外国では想定外の予期せぬことが起こる可能性が日本にいる時よりも高くなります。滞在ビザの問題や税金などの手続き、そんな時に頼りにしたくなるのが同じく現地に住んでいる日本人です。
実際に、語学力に自信がない方というのは、現地に住む日本人に協力を求めがちです。なぜなら、同胞であり、母国語が通じる日本人にできるだけお願いしたいという気持ちがあるからです。それ自体は悪いことではありませんが、「日本人は同じ日本人である自分に対して親切にしてくれるだろう」というのは危険な思い込みであることは間違いありません。
というのも、在留邦人の仲には来たばかりで右も左もわからない新規移住者や留学生をカモにする悪い人間がいるからです。特に、法的な問題を自力で解決するのが難しく、助けを求めてくる人を騙すわけです。
私がアメリカでよく耳にした話として、確定申告やビザの更新を現地で行う場合がありました。実際、多くの日本人がカリフォルニア州には住んでおり、電話帳を見ただけもほとんど全ての産業で日本語を話す日本人（日系人）が様々な職に従事していることがわかります。
その中でも、確定申告を請け負っている日本人やビザのサポートを行っていると思われる日本人も複数名います。しかし、契約書もなく、メールのやりとりだけという業者もあるために問題ないだろうとタカをくくってしまう方もいるということです。
そのような状況の中、あまりにも作業が遅く、書類が届かないために連絡をしたところで手数料だけ取られ、トンズラされてしまうといったこともあるようです。このようなケースの場合、催促のメールや電話をしたところで「まだ時間がかかります」という返事が多いことが特徴です。
ビザ更新の場合、下手をすると移民局から国内強制退去という手段を取られる可能性さえあるわけですが、税理士から収入証明書が届いたとしてもパートナー税理士に委託されてしまうこともあるようです。
そして、収入証明書はビザ更新用ではなく、形式が間違っているために移民局では対応してもらえず、他者の確定申告の書類と一緒に添付されていた、というような確定申告をする権限を持っていない偽税理士であったという話もチラホラあったことを覚えています。
結局、弁護士や税理士の名前が登録されているサイトを見ても名前がないのが明らかになり、本人のホームページを検索した結果、税理士とは書いてはおらず、そのへんはうまく誤魔化しているように思いました。
それでも彼は、カリフォルニア州の税制について現地在住者向けのメディアに執筆しており、SNSでに発信しています。通常、このような表向きの活躍を確認すれば信用されるのも当然のことです。しかし、不信感がありつつお願いした方も悪いとは思います。
結果的に、無事に手数料も全額返金されたとは言いますが、そもそも悪いことをしているという自覚があるのは明らかです。なぜなら、自覚がなければ返金することなどないからです。私は法律家ではないため、それが違法であるかどうかまではわかりません。
ただ、税理士ではないのに確定申告を請け負い、契約もなく第三者に個人情報を丸投げしてまで委託するというのは問題があることはわかります。いずれにしても、日本人だからといって無条件に信じるべきではないということです。
外国で現地の税理士に確定申告をお願をしたり、ビザ更新のために弁護士に依頼するのであれば、まずは税理士や弁護士資格を保有しているかどうかを調べるべきです。さらに、契約書の有無やその内容を確認する必要があります。
最後に、これは何に関しても言えることですが、不信感を持った瞬間に第三者、できれば現地の役所や専門家に相談することです。決して物事を楽観視してはなりません。悪い日本人のカモにならないよう気を付けてください。
|
