アメリカの州によって、オーストラリア、ヨーロッパの一部では、小学校は4年制で小学校卒業後にいくつかの進路に別れるというシステムがあります。
卒業後に就職し、職業訓練を受ける生徒が進む学校、そして卒業後に職業専門学校への進学を目指す生徒が進む学校、大学進学希望者が進む学校もあります。また、3つの学校形態を包括した学校もあります。
日本の学校では、小学校や中学校はもちろん、高校でも留年させられることはほぼありませんが、アメリカやドイツでは留年や他の学校に転校を言い渡されることも少なくありません。中には、小学校の成績で就職コースか進学コースかがある程度決まることになります。
また、小学4年生で進路を決めるという性質上、親の教育水準の影響を受けているのは明らかで、大学に行った親を持つ子どもは大学進学コースに乗り、そうではない親を持つ子どもは、その成績に準じた学校に行く、という傾向があります。
一方、日本の教育方針は平均レベルを上げることが目的とされており、アメリカやドイツ式の教育システムと比較すると、教育格差=経済格差が目立ちます。しかし、それはむしろ適材適所と考えることもできそうです。
日本のように、勉強が苦手な子どもであっても大学に行くよりは、就職を前提とした進路が一般的に浸透しているのは、社会として合理的かもしれません。厳しい教育制度のアメリカやドイツの方法は国の発展のためには必要なことでもあるのではないでしょうか?
実際に、日本でも小さい頃は勉強が苦手でも、高校生になって勉強に本気を出すようになって東大に合格することもあります。ところが、アメリカやドイツではそれはあまり現実的なことではありません。
世界中どこに行っても、大卒者と高卒者では給料で差が出ますが、高卒者は個人的に仕事と平行して職業訓練を受けたり、学位にチャレンジするようなキャリアアップが必要となってきます。格差を生む教育制度とはいえ、アメリカやドイツが経済大国としてあり続けるのは、この厳しい教育制度による成果があるものと考えられます。
個人的には、日本よりもアメリカやドイツの教育の方が理にかなっていると思いますが、社会の成熟度としては誰にでも進学のチャンスがある日本の方が高いと言えなくもありません。
最近は、少子化によってアメリカやドイツでも大学進学者が増え続ており、職業教育を受ける人が減ってきているようです。教育自体も移民の影響などもあり、変わらざるをえなくなっているということです。
果たして、10年後の日本はどのような教育システムで移民問題を克服するつもりでしょうか?これまでのような平均レベルを上げるだけの方針や、誰でも大学に入学できるようであれば、もはや学校人の淘汰は決まっています。
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