試験前の職員室を見てみると、英語科教員の周辺では、「私が担当する科目は、担当者別問題にしますし、共通問題のときも採点基準は各自考えるの一言で済まします。しかし普通の真面目な先生方は、公平を期すために採点者によって基準が変わらないよう綿密な打ち合わせをします。
その内容を一つだけご紹介しましょう。
和訳の問題から
「紅葉がきれいだから、秋に京都に行きたいな。」
I want to go to Kyoto because “in fall” the colored leaves are beautiful.
本当にin fall の位置はここでもいいのでしょうか?その判断がつかないんだったら教師やめるか、こんな問題を出すべきではありません。また、単語を日本語に訳す問題 Languageを 「言語」だけでなく「言葉、語」でも正解か?と、こんなことやってて、「ああ忙しい」が先生の口癖になっているのが現実です。
このようなことが一般企業でも通じるわけがありません。英語の先生に対して、採点基準はほどほどでいいから、生徒を見るようにしてほしいものです。たまには生徒に先生の採点をしてもらうといいでしょう。
一方、ALT とは、Assistant Language Teacher のことで、多くの英語話者の人たちが日本にやってきて、学校の先生と一緒に働いています。ところがここでも問題が山積しているようで、ネット上の英語サイトの書き込みには「日本のALTはやめておけ」、そういう否定的な口コミが数多くあります。これは一体どういうことなのでしょう?
ALTのアメリカ人教師のマイケルとの授業に50分間、笑顔で英語が飛び交う生徒はいつも大喜びしています。今日も日本人英語教師を尻目にアシスタントのマイケルが主役になり授業が進んでいます。
マイケル教師:「もう主役になってしまった。でもこれでいい。楽だし、生徒は楽しくやってるし」
生徒:「先生も楽しんでるだけじゃん。別に先生いらないから、タバコでも吸ってきていいよ。」
日本人教師:「ははは。そうしよっかな」
ところがある日、
マイケル教師:「○○さん、ごめん。もう僕はここでは働けない」
日本人教師:「一体どうしたの。落ち着いて。」
マイケル教師:「僕のこと認めてくれてるの○○さんだけなんです。他の英語教師は今でも、ずっと僕にテープレコーダーになれって言うんです。黒板に書いた発音記号読めって。無視して会話の授業やったら、授業の後呼ばれて、言うとおりにしないんだったらやめてもらうって言われました。いくら理由を聞いても全然英語で話さない。こそこそ周りの教師同士で日本語だけで話している。それでも英語の教師かっ思ったんですよ」
日本人教師:「そうだなぁ。残念だけど、それが普通の日本の英語教師だからなぁ。」
次の週の英語科会議で、
日本人教師主任:「マイケルはわがままだし、授業もろくにできないくせに文句ばっかり言うんですよ。今まで我慢してきたけど、もう契約が切れるから来年はお断りしましょう。」
日本人教師A:「そうですね。プライドの塊で、いつも自分はTESOLの学位もとったとか言うんだけど、発音指導もできないんですからね。生徒がおかしい英語話したりしても直さないし。」
こう話していた教員が別の会議で、
日本人教師A:「校長が教員の仕事ぶりを評価するなんてとんでもない。私に上の言うとおりにしかできないサラリーマン教師になれって言うんですか?」
このような日本人教師Aのような人が、言うこと聞かないからという理由で、有能なALTをクビにしたのではないでしょうか?お給料がもらえて住む場所も提供されるといっても、テープレコーダーになることを強いられるようでは、熱心な先生が集まるとは思えません。
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