人工知能が雇用を奪うテクノロジー失業① 「仕事がない時代が来る」
人工知能が雇用を奪うテクノロジー失業② 「日本でも49%がロボットや人工知能と代替」
の続きです。
さて、人工知能分野は非常に興味深く、最近は人工知能について触れる機会が大幅に増えました。自分でも人工知能プログラムを制作しているのですが、ブロックチェーンについても同時に研究を進めています。そして、もちろん語学教育についての研究もWebマーケテイング事業部では進めています。
しかし、昨今の人工知能の発達ぶりには驚くものがあります。以下は将棋のニュースですが、4月に開催された名人がPONANZAという将棋ソフトに負けてしまったのです。
佐藤名人、ソフトに敗北 将棋タイトル保持者で初(産経新聞)
もはや将棋でも人工知能に勝てなくなっているようです。ちなみに囲碁については昨年の3月に世界チャンピオンのイ・セドル九段がGoogleの人工知能AlphaGoに負けてしまいました。そして日本でも6冠の井山碁聖が人工知能に負けたというニュースがあったのは記憶に新しいところです。
一方、チェスについては、1997年に世界チャンピオンがIBMの人工知能ディープブルーに負けています。さらに最近驚いたのは、3月に開催されたポーカーのゲームで人工知能がプロに勝利したことです。
史上初、ポーカーで人工知能がプロに勝利(朝日新聞)
世界で初めて人工知能(AI)がポーカーでプロのプレーヤーに勝利したことが、2米科学誌サイエンスに発表されています。カナダのアルバータ大学が開発した人工知能DeepStackは、昨年12月に世界ポーカー機構が招いたプロポーカープレーヤー11人に勝利しました。ディープスタックとプロポーカープレーヤーは「ヘッズアップ・ノーリミット・テキサス・ホールデム」というゲーム形式で勝負したようです。
報告書によると、ディープスタックの勝因は「チェッカーやチェス、囲碁のように目の前に情報が完全に示されているゲームと、情報が不完全なゲームへの対処法の違い」を埋めたことにあるようです。ディープスタックでは、一つ一つの決定について戦略を見直すディープラーニング(深層学習)によって磨かれる直観形態を開発しています。
それにしても、人工知能がポーカーのプロに勝つというのですから、これは将棋や囲碁、チェスで勝つとは意味が違います。将棋や囲碁、チェスはお互いに持ってる情報が開示されたゲームです。駒の数、種類、手元にはどの駒を持ってるか、これからどの場所に置けるのかなどの情報が全部開示されている情報の中で戦います。
しかし、ポーカーは違います。情報が不完全なゲームです。誰がどのカードを持ってるのか、また、どの手を作ろうとしているのかなどまったく開示されません。麻雀もそうですが、情報を隠蔽しながら戦うゲームは多くありますが、まったく読めない運という要素もあります。
そこを読み合うのが面白いゲームなのですが、この分野も人工知能が勝っています。それはポーカーどころの話ではありません。なぜなら、このシステムはより幅広い分野での応用が期待されているからです。現実世界の状況とは、不完全な情報を使ったゲームのようなものです。今後、似たようなシステムがビジネス交渉やサイバーセキュリティー、医療などに使われていく可能性があります。
こうなると、ビジネスや軍事の分野で人間を圧倒できる機械ができるようになるでしょう。いずれは、多くの人間が不要になってしまう世の中になってしまうのでしょうか。情報が不完全なのに勝ってしまい隠蔽されても勝ってしまう人工知能ですが、それは本来、人間が得意としてきたところです。情報が隠されててもそこを経験値や勘で当ててきました。
そこでも負けるのならそれは、現実世界でも勝てないということになります。最後に、Google創始者であるセルゲイ・ブリンCEOが最近の驚異的な人工知能の発達について、「人工知能がどこに向かってるのか分からない。最近の驚異的な発達に驚いている」と発言しています。
人工知能を制作しているのはGoogle自身なのですが、当の本人が制作しているにもかかわらず、「ここまでAIが発達するなんて思わなかった」と発言しているのです。なぜこのような無責任な発言をするのでしょうか。他に人工知能について書くべき話が山ほどあるので今後も続く予定です。
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