仕事柄、札幌や横浜、名古屋、大阪など東京以外の地方へ行くことが多く、その近郊へも行く機会をいただくことがあります。
この4都市に限りませんが、地方でのテーマといえば何といっても地方創生です。全国各地で官民含め様々な取り組みが行われていますが、一部では大きな成果を達成している地域もあります。しかし、まだまだ日本の地方創生は成功しているとまでは言えないのが現実です。
2000年頃から、ふるさと納税や第6次産業化、ITスタートアップ事業、さらに産業連携イノベーションなど、そこでの取り組みは多種多様に行われてきました。それなのに成功していない原因は、その目的であるマネー還元を地方経済に引き込むことに徹していないということにありそうです。
地方の政治家や地方官僚たちは、いつものように美辞麗句を並べるだけで、的を射ているとは到底言えません。なぜなら、グローバルなマネーが日本の地方まで行かないことこそ、地方経済が瀕死の状態になりかけていることに原因があるからです。
それが理解できているのなら、グローバルなマネーを地方まで呼び込む手段を徹底して行うしかありません。では、それにはどうしたらと良いのでしょうか?
最近、ネバダ州ラスベガス市に住む私の友人が日本に来ましたが、久しぶりに話したところ日本では会うことができないほどの超富裕層と会ってきたと言うのです。1時間ほどでしたが、そこで聞いたことは、その超富裕層たちがカジノホテルのオーナーでもなく、ただ平凡に生活しているということでした。
ネバダ州のラスベガスやレイクタホなどのカジノリゾートには大勢の超富裕層が暮らしているわけですが、彼らは一体、何をしてそこで暮らしているのかということです。しかも毎日毎晩、ギャンブルをすることもなくカジノホテル近辺の寿司バーで寿司を食べながら日本酒を飲んでいるそうです。
彼らと話してみるととんでもない規模の資産を持つ大金持ちだということが分かったというのですが、そんな彼らにも悩みがあるようです。それは、やるべきことがないということです。そこで、特にラスベガスでは怪しげなイベントが毎日のように行われていて、そこに参加しているようです。
私たち日本人は、欧米人よりも手先が器用で真面目ですが、だからといって外国語や金融資本主義について勉強しなくてもいいわけではないはずです。むしろ逆であって、手先が器用で真面目だからこそグローバルなマネーの保有者であるこれらの欧米人たちを誘い込むような仕掛けを地方で始めるべきだと私は思うのです。
戦略特区などという補助金目当ての詐欺をはかる法人の印象がありますが、地方が優遇措置を中央集権からもぎ取るには、まず金融と保険特区が必要になります。つまり、ネバダ州のように法人税や所得税、そして消費税を低くし、次に医療特区を整備し、交通手段の見直しを行い、後は英語や外国語で意思疎通ができる人材を揃えます。
最後に、山の麓にある景色のいい場所に居住スペースを設けることで日本の地方はすぐにでもネバダ州になれるわけです。金持ちがいるところには必ず産業と文化が栄える傾向があるわけですからこのすべてをすぐにでも実行すべきです。
私は、そのような意味で日本のネバダ州づくりを地方の現場や、私個人や私たちAtlasが持つ海外のネットワークを使いながら紹介していきたいと考えています。
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