米過激勢力の新潮流「ブーガルー」とは?コロナや反人種差別デモで台頭
(出典:2020年6月23日 AFP BB NEWS)
左派集団の「●ンティファ」は、日本で報道されていることで知られるようになりましたが、「●ーガルー」は一部のメディアで取り上げられているものの、あまり知られていないようです。いきなり現れた得体の知れない武装集団という印象があります。
●ーガルーの歴史は浅く、昨年2019年に「Qアノン」の登場とほぼ同時期にアメリカのネット掲示板(日本の2ちゃんねる)の投稿から始まっています。ちなみに●ーガルーという名称は、2014年に公開されたドキュメンタリー映画、「エレクトリック・ブーガルー」から取ったと言われています。
このドキュメンタリー映画は、白人のヒーローが銃で敵を殺しまくるB級映画を製作していた映画プロダクションである「キャノン・フイルム」が版権を保有しています。●ーガルーは、この映画ファンが集まって作った組織です。
アロハシャツに防弾チョッキ、そして自動小銃で武装しているのが彼らの共通の特徴で、5月頃に「新型コロナの蔓延はアメリカ国民を支配するために作り出したフェイクニュース」と主張し、反抗を呼びかけました。
その他、「第2次アメリカ南北戦争を引き起こすために警察や政府機関の襲撃し、革命を成し遂げる」とも主張しています。●ンティファのように●ーガルーにも統一した組織はあるわけではないことがわかりました。
ネット掲示板の4ChanやRedit、8Kun、そしてフェイスブックなどのSNSで結集したイデオロギーを共有する人々が●ーガルーを名乗りはじめ、任意で活動を行っている分散型の集団ということです。
Electric Boogaloo: The Wild, Untold Story of Cannon Films Trailer (2014) HD
(出典:2014年10月6日 Youtube:FilmIsNow Movie Trailers International)
まず、メンバーは白人の比較的裕福な中年男性に多く、●ーガルーという名称の元になったドキュメンタリー映画「エレクトリック・ブーガルー」は、マッチョ志向が強く、白人至上主義的な傾向の暴力映画だからです。
おそらく、●ーガルーのメンバーの多くはこの映画を見て育った世代であり、1967年から1994年の間に製作された映画を観ているわけです。映画のピークは1980年代ということで、●ーガルーは40代前半~50代後半の白人男性が中心であるように思われます。
また、イデオロギーとしてはアメリカ国内での戦争や革命を実行するために、警察官が持つような銃で武装しているのが特徴です。●ーガルーのそれぞれのグループの間に相違があるとされています。
筋金入りの白人至上主義とネオナチの集団がいることもありますが、かと思えば、BLM(反人種差別運動)の抗議デモで警官を襲撃しているグループもあります。また、リバタリアンと呼ばれる無政府主義者のグループもいるようです。
現在、アメリカでは大きく分けて二つの抗議運動が同時に起こっています。一つ目は、ロックダウンや行動規制に抗議するトランプ大統領を支持するグループと、ジョージ・フロイド氏の死をきっかけに高まっているBLM運動の反人種差別のグループです。
●ーガルーは、このどちらのデモにも参加しており、警察を襲撃するなど抗議運動を暴力的に誘導しています。BLMの抗議運動を暴力的に誘導している勢力が社会主義での●ンティファだとすれば、イデオロギーは真逆でも同じ役割を果たしているのが●ーガルーです。
米国の警察官は過激集団の台頭に嫌気がさして退職者続出 カラー革命で社会は大混乱
(出典:2020年6月30日 Yahooニュース)
●ンティファと●ーガルーは、相互に敵対している水と油の関係にある集団ですが、全米各地で行われているBLMの抗議運動では●ーガルーのメンバーが武装して車に乗り込み、デモ隊に突っ込んだこともありました。
また、自動小銃を取り出してデモ隊を脅す場面も動画などで見られており、今後●ンティファと●ーガルーが同じ抗議運動でお互いに暴力的に衝突し、収拾がつかなくなる状況にもなるものと考えられます。
それこそ、代理戦争のような内戦が本格的に始まる可能性も出てきます。トランプ大統領は、抗議運動を暴力的に誘導している●ンティファを非難していますが、トランプ大統領の支持層である集●ーガルーは、実は●ンティファ以上に危険な集団であるということです。
●ンティファのように、●ーガルーの背後にも資金を提供している財団のような組織は存在しているように思います。なぜかと言えば、●ンティファと同じように抗議運動を暴力的に誘導する役割を果たしているからです。
Qが、トランプ政権そのものが仕掛けたキャンペーンであるということから考えると、●ーガルーにも大きな財団やNGO団体が資金を出していると思います。実際に、毎年1月に開催される世界経済フォーラム(ダボス会議)とつながっているということです。
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