米朝首脳、今夕会談へ 8カ月ぶり 夕食会も
ヒラリー・クリントンが国務長官であった2011年、リビアは内戦へと発展し、その際に奪った金(ゴールド)でテロ集団ISを組織化したとされていますが、それはカダフィーが核兵器を保有していなかったからです。
一方、イラクのフセインも核兵器を保有持していたら殺されなかったのかもしれません。そして、一部始終それを見ていた北朝鮮の金一族は必死になって核開発を行ってきたわけで、もはや核ミサイルを捨てることなどできません。
核ミサイルの完全廃棄は、身分保障としてロシアの保護下に入るか、あるいは中国の属国になるか、それとも日本のようにアメリカの属国になるか、今のところこの3つしか選択肢はないと言えそうです。
ベトナムで開催される今回の第2回米朝首脳会議では、「金正恩が核を廃棄したと言いながら隠し持っておくことになる」と私は考えています。トランプ大統領も承知の上で、金正恩に核ミサイルを隠し持たせても問題ないですが、表沙汰にすると空爆する可能性があります。
これは江戸時代の火薬密造のようなもので、他国へ核ミサイルを売却せずに、抑止力として保有するのなら問題がないわけです。例えば、イスラエルのようにスーツケース爆弾を仕掛けたとアメリカを脅したりしなければ問題ないということです。
やがて核ミサイルの実験さえしなければ、そのうち老朽化で使えなくなるのは明らかで、核ミサイルというのは意外に劣化しやすいことがわかっています。そうなると、新品の部品と交換した際に、本当にターゲットまで届くかどうかもわかりません。
コンピューターの一番の弱点というのは、コンデンサーの劣化であって、電子部品が劣化すると使い物にならなくなります。そこで金正恩としては、核ミサイルを保有していても公式には保有していないと周知することで、日本を含む周辺国からの独立性を維持できるようになります。
また、韓国に対しても有利な条件で米軍が撤退した後の南北統一の際にも利用できるかもしれません。アメリカとしては、空爆することで損害が大きくなるので、表向きとして服従させておくだけでも成功と言えます。
私自身、北朝鮮の核問題については、核ミサイルを隠し持ちながら朝鮮戦争の終結宣言をするものと予想しています。実際に、現在の米軍の軍事力というのは核兵器がメインではなく、軍事衛星から照射するレーザーミサイルや、反重力ドローン戦闘機となりつつあります。
要するに、核兵器など持っていても自衛(抑止力)以外に使えない時代に入っているということです。
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