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ボストン・ダイナミクス社が開発したヒト型ロボット「アトラス」の現在

AI(人工知能)という言葉は、数学者のジョン・マッカーシー博士によって、1955年に初めて使われました。

 

後にAIのパイオニアと呼ばれたマーヴィン・ミンスキー博士と3人の科学者とともに大学の夏季講座の計画書として取りまとめた文書の中で、「人間の知能を模倣する機械を制作することは可能である」との仮説を紹介したことがAIの発端となっています。

 

しかし、ここに来て世界中のAI研究者や有識者たちは、AIが軍事システムに分野で新たな軍拡競争を助長する元凶になる可能性を危惧しており、国際規範を設けることによって、法的な規制を加えるように関係政府や政治家に求めているようです。

 

さて、AI(人工知能)搭載の自律型兵器といえば、誰もがアメリカ国防高等研究計画局 (DARPA) の支援の下で、民間企業のボストン・ダイナミクス社が開発したヒト型ロボット「アトラス」を思い浮かべるはずです。最近では、人間以上の跳躍力を備え、バク転やバク宙まで軽々とこなすことができるようになりました。

 

What's new,Atlas?
Bosto DynamicsのYoutubeへのリンク画像です

 

ボストン・ダイナミクス社が開発したヒト型自律型ロボット「アトラス」は、ごく近い将来、人間には持ち上げることができない重い荷物を移動させたり、人間が立ち入ることができない災害現場に入り込んで、瓦礫を撤去しながら人命を救助する、災害救助AIロボットとして市場に登場する可能性があります。

 

Atlas, The Next Generation
Bosto DynamicsのYoutubeへのリンク画像です

 

しかし、その武骨な同じ手では要介護者の手を取って元気づけることはできないかもしれません。なぜなら、アトラスにはその合金でできた手を人肌と同じ温度に温めてから、介護を必要としている人の手を握るという発想がないからです。

 

そもそもアトラスには介護ヘルパーには適さないと思われます。AIロボットには、西洋の人々が好む日本のおもてなしに見るように、客が求めていることを一瞬で読み取って、心細やかなサービスを先回りして提供する高度な感性は備わっていません。

 

これには、高度な論理エンジンによって様々なケースで相手の反応をフィードバックすることによって、その経験値を高めていくという気の遠くなる作業が必要というわけです。これを解決するのは、あらゆるレベルで動いているアルゴリズムを縦横無尽に介する架け橋とそのベースとなるAIネットワークが必要になります。

 

期待されていたディープ・ニューラル・ネットワークは、イメージ、ビデオ、オーディオなどそれと一体となっているテキストを含む複数の種類のデータを処理できるようになったといいます。しかし、これら特定のディープ・ニューラル・ネットワークは、抽象的知識を取り扱うには不適当であることが分かってきました。

 

最近、現在のディープ・ニューラル・ネットのフレームワークの一般化能力の限界を感じており、最短経路を構築するためには、人間のような認知のより高度な側面を扱うことができるディープ・ニューラル・ネットを使用すると同時に、論理システムのような、より抽象的な概念を取り扱う高度なアルゴリズムをハイブリッド化することが必要であると考えているようです。

 

論理的には、まったくそのとおりですが、それを実現するためにここでも独自のブロックチェーン技術の必要性に迫られることになりつつあるようです。

 

ところで、運動性能をさらに高めたアトラスの改良版に搭載されたAIが、国家安全保障局(NSA)やCIAの監視システム、そしてデータシステムにリンクされることになれば、暴力と抑圧の強力な手段となるかもしれません。

 

つまり、法的な整備さえ整えばAIロボット兵士がすぐにでも実現間近になっているというわけです。すでにアメリカや中国、イスラエル、韓国、ロシア、イギリスではAIを搭載させた兵器システムの開発が加速しています。

 

一方、予測不可能な事態に人間以上に対処する能力を有するAIによって、テスラ社のイーロン・マスクが完成を急いでいる自動運転車やロボットによる有人航空機、ヘリコプター、飛行船、ロケットなど二次元からより多次元的なアプローチが実行可能になると予測されています。

 

これに対して、民間の人道団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「いったん開発されてしまえば、AIロボット戦士たちは素早く決断するので、人間の兵士が行う戦争より紛争の規模は、これまで以上に拡大してしまう」と警告しています。

 

要するに、AIとロボットがこれまで以上に開発されていくということは、人間の命を奪う兵器ともなりうるということであって、そもそもAIを搭載したロボット兵士に人道や倫理を説いたところで無意味です。なぜなら、彼らは人間と同じように永遠に責任能力を持つことがないからです。

 

責任能力を持つことができない以上、彼らを法廷で裁くことはできません。したがって、AIロボット兵器は、命を失うことも恐れない最も勇敢で残酷な大量虐殺者になるべくしてなっていくはずです。

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