私は、ただアメリカ現代社会の現状について紹介したいのではなく、日本も同じ道を辿ることをお伝えしたいと思います。
今回も「進歩的な考えの否定」になるコラムを書くにあたり、拒否感のある方もあるかもしれませんが、それでも私自身は日本のこの数十年の社会の進み方の中で感じていたことでもあるわけです。
例えば、現代は、赤ちゃんを含めた小さな子どもたちが親とずっと一緒にいられないことが普通になっています。生活があるにしても、生まれてからすぐに赤ちゃんが日中は毎日知らない人に育てられる、というようなことは、精神的な成長から何かしら問題はあるはずです。
人間には肉体と精神を持っていますが、赤ちゃんは親から触れられたり、話しかけられるという刺激によって成長することが分かってきています。
ロンドン大学の研究で、「赤ちゃんは親から顔にふれられることによって、脳が成長していく」ことが論文で発表されていました。つまり、赤ちゃんのうちは、出来る限り親と子は一緒にいるべきであるということです。
とはいっても、結局、それでは多くの人たちは生きられない世の中になってしまったため、それが良いとか悪いとかは言えなくなりつつあります。それが現在のアメリカ社会のように私たち日本人は今後、日本という国と共にその結果をこれから受けることになります。
今現在、アメリカ社会が若者を中心にさらに崩壊していくのであれば、それを模倣してきた日本や韓国なども見ると同じように感じるわけで、そのアメリカ社会のように若者が自体がどうにもならなくなる時期はそんなに遠くはないのかもしれません。
結局、それを防ぐためには40代以上ではなく、若者たち各々が目覚める必要があると思います。唯一はっきりしていることは、私たちは西洋人ではなく、日本人であり、古来から本当に幸せな家庭像と人生観を持っていたわけですから、できないことではないと思います。
ひとり親、いわゆるシングルマザー/シングルファザーの環境で育った子どもたちについては、幅広い分野で統計的な数字が出されています。アメリカでは、高校を退学する割合が通常の 2倍、女子の場合は十代の母親になる率が通常の2倍です。
そして、学校も辞め、仕事もしない状態になる率が通常の1.4倍もあります。他に、成績ポイント平均が低く、大学の志望が低く、出席記録も悪いというデータがあります。また、大人になった際にも、彼ら彼女たちの離婚率が高いとされています。
これらの統計的傾向は、人種、親による教育状況、兄弟姉妹の数、居住地の違い等を調整した後でも同じように示されており、現在のアメリカでは多数の結婚が失敗しています。つまり、子どもたちの60%近くが、伝統的な家族の中で成長していくことができないということです。
アメリカ政府により片親家族への政府補助金が増えるとそれに伴い、片親の世帯が増えていき、伝統的な家族の形態は減少し続けています。実際に、アメリカでも日本でも政府という存在は、文化を変えることができるほどの力を持っているということです。
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