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トランプ大統領が北朝鮮に仕掛けた「ルーズベルトゲーム」②

第2回米朝首脳会議での「破談」というのは、実はアメリカにとって失敗でも何でもなく、しかもアメリカのトランプ大統領にとって交渉とは単なるゲームであり、楽しみでしかないということです。

 

トランプ氏「本当なら失望」、北朝鮮のミサイル拠点復旧で
2019年3月27日の日本経済新聞へのリンク画像です。

 

今回の首脳会談では、金正恩(キム・ジョンウン)委員長がトランプ大統領や随行した閣僚たちの思い通りにならなくても、ベトナムに行く前に複数の選択肢がトランプの手元には用意されており、かなり吟味され、詰められていたものと思われます。

 

これまで私は「トランプ自伝」などの本を複数冊読んで調べてきましたが、ドナルド・トランプというのはそういう人間であって、歴代のアメリカの大統領もそのように努めてきたということです。トランプは「ビジネスでも交渉時には必ず6つ以上の実現可能な選択肢を用意し、徹底的に詰めてから臨む」と自伝でもはっきりと書いてあります。

 

ビジネスマンとしてのトランプは、本当に頭が切れるエンターテイナーで、同時に交渉の達人であるということです。知らないのはテレビや新聞しか読まない人たちだけで、そもそもアメリカのマスコミ自体が反トランプ(民主党)であることからも、いくらでも印象を悪くする報道できる状況にあります。

 

結局、トランプがアメリカ大統領として行いたいことは、後になって「アメリカは北朝鮮に対して、初めから礼儀を尽くして外交努力した…」という北朝鮮を空爆するための国際世論への同意を得るためのアリバイづくりのように思います。

 

これも、今から74年前に第二次世界大戦で大敗した日本が、当時のルーズベルト大統領が仕掛けた手口と全く同じであるということです。アメリカや国連は「満州国は違法」「日本は即座に満州から撤退するべき」などと日本の領事や大使たちに迫り、それを嫌がると欧米諸国が協力して石油の禁輸を始め、いわゆる経済制裁を課したわけです。

 

当時、日本はアメリカから大量の石油を輸入していたため、国内では大打撃を受けました。それで行き詰まった日本政府と軍部は「インドネシアや南方の石油を奪え」と南下して侵略することになりました。

 

結果として、アメリカはハルノートという実現不可能な条件を日本政府に突き付け、戦争をするための最後通告を行いました。これは今回の金正恩との外交交渉と全く同じで、できるわけがない完全非核化を押し付けているのは明らかです。当時の日本政府もアメリカの要求に対して断固拒否しましたが、あの時もアメリカはは自分から先制攻撃を行いませんでした。

 

そして、数年後の1941年にハワイ真珠湾奇襲という形で先に日本から攻撃させ、それによって、当初は日本と戦争をするつもりがなかったアメリカ国民に「リメンバー・パールハーバー」などと怒らせることに成功し、アメリカは国民が一丸となって総力で一気に日本を潰しました。

 

このように、これから起きることが読めると思います。だからこそ、アメリカに25年以上も暮らし、日本で10ヵ国語コースを持つ語学スクールを全国的に運営し、米軍に10年以上も奉職した私が「第三次世界大戦」について語っているわけです。

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