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Xi Jinping Wows Them at Davos
(出典：2021年1月25日 THE WALL STREET JOURNAL）
世界経済フォーラムが主催の「ダボス会議」は、国際社会を代表する会議であり、世界中の財界人や政治家、そしてそれぞれの業界の有名人たちが参加してきました。
ダボス会議での序列は世界の政治的な序列でもあり、今回は中国が世界のトップとなり、ロシアやインド、南アフリカという「BRICS」を中心に議論が進められたわけです。当然、先進国のEU諸国や日本、韓国、そしてシンガポールも参加しました。
一方、参加しなかったのが「ファイズ・アイズ」のアメリカとイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、そしてカナダです。今後、アメリカが米ドル安で経済的に衰退していくと、次の時代はBRICSとEUも地域的な覇権国になる可能性があります。
今回、英語圏のアングロサクソン諸国が会議を欠席し、その代わりに中国やロシアが主役を演じたことは、これからアメリカ覇権体制が終焉を迎え、地域覇権体制に転換することは誰の目にも明らかです。
そのような状況の中、東側諸国のリーダーであるロシアのプーチン大統領は危機感を強く感じているようで、ダボス会議に集まる欧米の共産主義者たちに対して批判しています。同時に、「グレート・リセット」に対抗するビジョンを主張しています。
Putin Warns of Global Tensions Similar to 1930s in Davos Speech
(出典：2021年1月27日 Bloomberg）
アメリカの経済紙ブルームバーグは、プーチン大統領は現在と1930年代の類似点を指摘し、「第三次世界大戦の予兆がある」と警告を発したと報道しました。演説の中で、国際問題の解決に失敗したために第二次世界大戦を引き起こした時代に類似していると指摘しています。
また、プーチン大統領は「民衆が互いに争うリスク」について、世界大戦を想起させるような発言をし、第二次世界大戦規模の戦争が起これば「文明は終焉する」とまで述べています。それを止めるのが、「新ユーラシア主義」と呼ばれる思想である可能性があります。
21世紀になって社会主義国家が姿を消し、「民主主義」が唯一の思想として残っています。民主主義は、「市場経済」と「民主主義」という基礎がありますが、あまりにグローバルに拡大したのでイデオロギーとしては誰も認識していません。
実際に、世界中の人々が自国の持つ独自な社会思想について語ろうとしても無視されるようになり、自国の文化そのものが市場経済と民主主義に呑み込まれてしまっています。つまり、ダボス会議が目指している「世界政府」の樹立は、世界をこ単一の価値観で統一することです。
ユーラシア経済連合創設から5年 目指したEUには遠く及ばず
(出典：2020年1月28日 朝日新聞GLOBE＋）
GAFA＋MSは、各国が持つ文化の独自性を無視した運営を行っていますが、私たちひとり一人はユニークな社会を構築する権利を持っているはずです。この権利を追求し、世界政府に対抗する思想こそ新ユーラシア主義というわけです。
名称はユーラシアですが、別にアジアやヨーロッパに限らない独自の文科的価値と社会思想が伝統的に存在している地域であれば、欧米諸国や南米諸国のように多民族国家であっても幸せに生活できるという思想です。
ロシアは、このようなダイバーシティを守るリーダーとして、どこでも同じ価値を強制するダボス会議に対抗していく必要があります。例えば、中国は中華文化圏があり、ヨーロッパは欧州文化圏、そして北米は北米文化圏という独自の価値を社会を構築することができるということです。
プーチン首相、ペン放り出して財閥社長を震え上がらせる
(出典：2009年6月8日 AFP BB News）
このような新しい社会思想は、プーチン大統領が推奨しているから注目されているわけではなく、実はヨーロッパ諸国では経済格差や伝統的な社会秩序の衰退など、規制のない市場経済と民主主義がもたらした負の遺産に憤慨している人たちが大勢います。
彼らによって、伝統的な文化とその価値こそ貴重なものであり、新ユーラシア主義を重要視している面もあります。しかし、西側諸国のマスメディアはロシアとプーチン大統領を批判する報道で人々を洗脳してきたことがネックとなっているようです。
だから、ロシアの外交政策の基本方針でもある新ユーラシア主義を受け入れない人々も多いと思われます。また、思想そのものがトランプ大統領の提案と似ており、近い将来は習近平主席と3人で「新ヤルタ会談」を開催すると思います。
いずれにしても、グレート・リセットという奴隷制度を押し付ける動きに反対するプーチン大統領は、これから世界的に影響力を強めていくものと考えられます。
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2021年3月6日
