Atlasマンツーマン英会話

 

わざとトランプ大統領が仕掛けた貿易戦争はアメリカの覇権主義放棄|Atlasマンツーマン英会話

札幌、東京、横浜、名古屋、栄や金山エリア、大阪梅田エリアのマンツーマン英会話

Atlasの特徴レッスンコース・授業料一覧スクールを探す無料体験レッスン子供英会話Atlas KID'Sオンライン英会話

ホーム > すべての「人」へ、今、起きている本当のことをあなたに

わざとトランプ大統領が仕掛けた貿易戦争はアメリカの覇権主義放棄

3月初旬、トランプ大統領は全世界からアメリカに輸入される鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税をかけることを発表しました。

 

中国やロシアを筆頭に輸入品に押されて不振が続く国内の製鉄業を立て直して雇用増にするアメリカ・ファーストの実現と次期大統領選挙での再選、そして中国やロシアなどからの輸入品に席巻されることによる安全保障面の懸念から、これまで非関税だった2品目に課税することにしたわけです。

 

関税率アップの発表後、アメリカや日本などの株価が再び下落し、関税率アップは、世界各国の政府やマスコミ、そして政財界などで評判が非常に悪く、各方面から強く批判されています。当然、批判の多くは妥当なもので、「今回の関税率アップはアメリカ国内の雇用と経済成長にプラスだというトランプ政権の主張は間違いだ」、という批判になっています。そして、それは歴史を振り返ってみても正しいことがわかります。

 

アメリカ連邦政府は、2002年のブッシュ政権時に輸入鉄鋼に最大30%の関税をかけましたが、課税直後から輸入鉄鋼の価格が課税された分だけ値上がりし、アメリカの製鉄業界はそれに便乗して値上げするだけで、増産も雇用増も実現しませんでした。

 

当時、例えば鉄鋼を使う側の自動車業界などは価格を値上げするわけにいかないので、鉄鋼が値上がりした分、他の分野で費用削減せざるを得ず、人件費を減らすために鉄鋼を使う側の業界全体で約5万人が解雇され、アメリカ経済は成長するどころか逆に1年間で約40億ドルの損失を被ったとする報告書が発表されました。

 

アメリカの製鉄業は約14万人しか雇用していませんが、鉄を使う側の産業は約650万人を雇用しています。2002年時の鉄鋼関税は、失策とみなされ2年後には撤廃された経緯があります。

 

トランプ大統領は2016年11月の大統領選で、鉄鋼や自動車などの製造業が廃れて長く経済難の、伝統的に民主党支持者が多いイリノイ州などのラストベルト(錆びた地帯)に住む人々に支持され、当選したわけです。

 

その流れから見ると、製造業の象徴とも言うべき鉄鋼やアルミに対する関税率アップは、今年秋の中間議会選挙で、トランプ大統領や共和党を有利にする宣伝効果があると考えられています。実際には製造業の雇用を増やすことはないと思いますが、有権者であるアメリカ人の多くはそこまで考えることはできないでしょう。

 

つまり、関税率アップ自体には政治的な効果がありますが、経済効果はマイナスということになるわけです。

 

トランプ政権が、関税率アップのもう一つの理由として挙げている安全保障の面についても、アメリカが輸入する鉄鋼のうち、実際に中国からの輸入は全体のたった2・2%しかありません。ロシアからは全体の8・7%を占めているだけです。

 

しかも鉄鋼は世界的に供給過剰で余っていて、ロシアや中国がアメリカを困らせようと鉄鋼の対米輸出をやめても、日本や韓国、カナダなど他の国々からいくらでも輸入できるわけです。つまり、国内製造にこだわる必要がなく、高関税をかけて輸入を抑止するのは安全保障上も意味がないといえます。

 

今回の関税率アップは、中国ロシアだけでなく、世界中からの鉄鋼アルミ輸入に課税するということで、アメリカの鉄鋼輸入先の上位は、カナダ(16%)、ブラジル(13%)、韓国(10%)、メキシコ(9%)で、いずれもアメリカとの同盟国です。

 

トランプ大統領の鉄鋼関税は、中国やロシアといった敵国よりも、カナダや韓国といった同盟国に大きな打撃を与えることになり、さらにアメリカの製鉄業が輸出する鉄鋼のうち、約半分がカナダに輸出されています。

 

仮に、カナダ政府がトランプ大統領への報復として、アメリカからの鉄鋼に課税して輸入を急減すれば、アメリカの鉄鋼業は大きな打撃を受けることになるわけです。そして実際に、欧州連合(EU)や韓国はWTO(世界貿易機関)への提訴を検討していると報道されています。

 

WTOがトランプ大統領の関税率アップを不正とみなすことになれば、アメリカの輸出産業が被害を受けることになり、国際戦略として、トランプ大統領の関税率アップは間違いだということは誰の目にも明らかなわけです。

 

一方、欧州連合(EU)は、トランプ大統領の関税率アップへの報復として、ハーレーダビッドソンのバイクやバーボンウイスキー、リーバイスのジーンズといったアメリカ文化を象徴するような製品群への関税課税を検討しています。

 

トランプ大統領がアメリカファーストを振り回し、これ以上の不当な関税をかけるなら、その報復としてアメリカ文化を感じさせる製品に関税をかけるというものです。こうしたEUの対抗姿勢に対し、トランプ大統領は、EUが対抗してくるならアメリカはさらに対抗措置として欧州車に懲罰的な関税をかけるとツイートしています。同盟国であるはずの欧米諸国間で、貿易戦争が始まりそうになっています。

 

鉄鋼アルミ以外のアメリカ産業界の経営者の多くは、トランプ大統領の関税率アップはマイナス面が大きいと考えて批判的になっています。アメリカの世界覇権主義を担ってきた軍産複合体も、日本や韓国、カナダ、そしてEUなどの同盟諸国に迷惑をかける関税率アップを嫌っています。

 

ちなみに、トランプ大統領の側近たちの中で関税率アップに賛成なのは、ロス商務長官とライトハイザー通商代表、そしてナバロ通商担当だけですが、ロス商務長官は製鉄所を保有し、ライトハイザー通商代表もロビイストで、いずれも私利私欲から賛成したものと考えられます。

 

軍産複合体の牙城である国務省と国防総省のトップのティラーソン国務長官とマティス国防長官は、これまで関税率アップに反対してきました。マスコミも軍産複合体の傘下なので反対しています。

 

実際、トランプ大統領と側近陣は、関税率アップの発表直前まで決行するかどうかもめたらしく、当日の朝に「関税率アップは延期された」と誰かがマスコミにリークされたものの、数時間後には予定通り関税率アップが発表されたようです。

 Atlas CEO ピーター・ヨネナガが教える「倒産・休廃業(解散)を防ぐ英会話スクールの経営分析コラム」 Atlasマンツーマン英会話への転校をご希望の方に「大手英会話スクールのやめ方・中途解約方法」
生徒さんの声レッスン体験談
入会までの流れはこちら
無料体験申込はこちらから
ページのトップへ

Copyright Atlas Corp.All right reserved.