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世界経済に底打ちの兆し、ゴールドマンとモルガンＳが指摘
(出典：2020年5月5日 Bloomberg）
今回のテーマは、アメリカ国内で起きていることについてです。6月以降、北半球でも場所によっては高温多湿になるので、世界的な感染拡大は落ち着くものの、アメリカだけは一向に収束しない可能性が出てきました。
いよいよ、世界各国で都市封鎖や外出禁止が解除され、行政命令も次第に緩和される見通しになり、経済面でも明るいニュースが報じられるようになってきつつあります。
欧米のマスメディアでも、新型コロナウイルスが封じ込められたことで世界経済が回復を始めている証拠が見られると指摘しています。エコノミストたちは、4～6月期の経済は平均で32％も縮小すると予想しつつも、7～9月期は16％も上昇し、10～12月も13％の成長を予測しています。
数多くのデータから、世界経済全体が底を打ったと分析しており、中国は2月、欧州諸国は4月、アメリカは5月に景気の底を打った可能性があると報じられています。
底を打った主な理由として、消費の期待感や人々の移動が最悪期に比べて増加していること、また感染拡大初期と比べて家計支出の縮小が緩やかになっていることなどの結果であると断定しているようです。
米のコロナ死者予測引き上げ、8月までに14.7万人 ワシントン大
(出典：2020年5月13日 Newsweek）
ところが、アメリカだけは諸外国とは状況が異なるようです。国内有名大学の一つであるワシントン大学は、新型コロナウイルスによるアメリカの死者数が8月上旬までに147,000人にまで上るとの最新予測をまとめています。
これは各州が行動規制を緩めた場合、感染リスクが増えることを反映した数値であり、4月予測に比べて約2倍になると報告されています。アメリカでは、すでに31州が行動規制を緩めており、人の移動が増えることを条件に死者数を95,000人～24万3,000人と試算しています。
ワシントン大学の研究チームは、135,000人を最終的な死者数と予測しており、検査体制の拡充や気温・湿度の上昇は感染を抑えるものの、むしろ人との接触機会が増えることで感染が広がると予測した結果となりました。
集団免疫を獲得しようと試みるスウェーデンや、ロシアなどはまだ感染拡大のコントロールがなされていませんが、確実に感染拡大は緩和しつつあります。そのような状況の中、これからも感染者数や死者数の大きな拡大が予測されているのはアメリカだけとなりました。
ワシントン大学の研究チームは、早期の行動規制の緩和を原因としていますが、実はそれだけではなく、アメリカ国内に特殊な問題が存在しているように思われます。それが住民たちの抗議運動です。
実際に、アメリカでは州当局が義務付けるマスクを着用していないと注意した人が銃で撃たれて死亡する事件が起きています。
米各地で「都市封鎖」抗議デモ 死者4万人突破も経済再開求め
(出典：2020年4月20日 BBC）
現在、アメリカ全土で行動規制の行政命令撤回を要求する激しい抗議デモが起こっています。具体的には、州政府が国民に行動規制を要求することは、合衆国憲法に保障された基本的人権に対する侵害だとして、抗議しているわけです。
州政府の行政命令により、住民に対して行動制限がかけられ、外出規制や店舗の閉鎖勧告などが出されています。地元経済にとって厳しい状況が続いていますが、経済的な影響に耐えられなくなった住民たちが、行動規制の撤廃を求めて州政府に抗議しているように考えられます。
米国封鎖抗議デモの背後で勢力拡大… 「反ワクチン派」が新型コロナ収束に及ぼす破滅的な影響
(出典：2020年5月12日 COURRIER）
ところが、抗議デモというのは経済的な問題だけではないようです。その他、ワクチンの強制接種に反対している集団が抗議しています。「ワクチン接種は人口削減と世界統一政府の樹立を目指すディープステート（軍産複合体）の策謀である」と主張し、何年も前から抗議運動を展開していました。
また、「Qアノン」を信奉する集団は、「ディープステートの支配からアメリカを国民の手に取り戻すための革命のリーダーであるトランプ大統領を強く支持しており、アメリカの新しい革命への参加を主張しています。
さらに、「白人至上主義者」なども抗議デモを行っており、今回の行動規制の即時撤廃を要求する運動を通して、これらの運デモは政治的に連携することになっているわけです。いよいよ、「第二次アメリカ南北戦争」が始まろうとしています。
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2020年5月14日
