木村花さんの悲劇から、私たちが本当に学ばなければいけないこと
(出典:2020年5月31日 Yahooニュース)
女子プロレスラーで、リアリティー番組に出演されていた木村花さんが、SNSの誹謗中傷が原因で自殺した、と報道されています。
そもそも、もっと強くなりたいためにプロレスラーになった人が、誹謗中傷されたからといって自殺にまで至ったことについて、私たちはここで立ち止まって考える必要があるように思います。彼女を弱くした本当の理由は、一体何なのでしょうか?
私自身、木村さんが出演したリアリティー番組を視聴したことはありません。聞いたところでは、プロレスのように演出された仮想現実で、それをドラマ仕立てに編集したテレビ番組であるようです。
動画配信サービスのNetflixで配信されているので、世界中の人々が視聴されていますが、視聴者のほとんどはシナリオに沿ったプロレスであると理解して観ていると思われます。
アメリカ「WHO脱退」で脚光、トランプ大統領のWWE時代とプロレス政治
(出典:2020年6月2日 @niftyニュース)
本物のプロレスでも、レスラーたちは本気で戦っているわけではなく、正義(ベビーフェイス)と悪(ヒール)がお互いに役を演じながら技をかけ合い、力をぶつけ合って観客を魅了させているわけです。
ところが、八百長であるプロレス(仮想現実)を本気で見ている人間が、世の中には少なからず存在しています。昨年、京都アニメーションを放火して多くの人を殺害した事件が起きましたが、現実と仮想現実、リアルとバーチャルの区別がつかなくなっている人が増えているように思います。
結局、演出されたドラマを本気になって観てしまうことで、出演者の演技に激怒してSNSで誹謗中傷するわけです。私は、このような人間たちの言動に対して、あまりにも幼稚すぎて理解できないまま、30年以上もインターネットを利用してきました。
私自身、日本に帰国して会員制語学スクールを立ち上げた際、様々な掲示板であることないことを一度も会ったことがない匿名の人たちから、誹謗中傷されていたことを知っています。
ポケモンゲームで特別な脳回路が形成される。
(出典:2019年5月11日 Yahooニュース)
脳科学の研究によると、実はゲームばかりやっている人というのは同じ脳の構造をしていると発表されています。つまり、世の中には現実と仮想現実、リアルとバーチャルの区別がつかなくなった人間たちが大勢存在しているということです。
実際に、多くの時間をバーチャル世界で生きている人間というのは、リアル世界よりもバーチャル世界のほうが自分自身に存在感を感じさせるようになっているようです。木村さんは、リアリティー番組の中でヒールを演じたため、バーチャル世界での評価を拠り所にしていたはずです。
そして、バーチャル世界の住民たちに裏切られた形となりました。要するに、木村さんがもっと現実を直視し、それを受け入れる強さがあれは自殺にまで至ることはなかったと思います。
また、リアル世界を楽しいものにする努力や、希望に満ちた世界にする覚悟とその強さが必要であったように思われます。
【テラスハウス・出演者死去】英国のリアリティ番組でも、問題続出 私生活露出でもOK?
(出典:2020年6月1日 Yahooニュース)
さて、実は「言葉」や「言語」というのは、世界を変えてしまうほどの力を持っています。木村さんがSNSの誹謗中傷によって傷つき、自殺された事件について、多くの人が考えさせられていると思います。
この事件は、SNSで本人に向かって発せられた嫉妬心が、世界を変えてしまったわけです。木村さんは、世界中の視聴者からも人気があったことから、嫉んだ(妬んだ)人間たちの言葉が世界を変えてしまいました。まるで呪いをかけたような世界観が見えてきます。
考えてみると、女子プロレスラーにとっては、個人の脳の中の世界観でしかないですが、誹謗中傷をSNSで発信したことは呪いが世界を変えてしまったことになります。これから、このような人間が姿を現すことが多くなると思われます。
|