米政権、連邦政府職員200万人に退職勧奨 奨励金提示
 (出典:2025年1月29日 Reuters)
選挙公約を次々と実行している第2次(2021年を含めると本当は第3次)トランプ政権は、ついに国内では連邦政府職員の大量解雇に手を付けました。
また、国外での外交政策でも一時的に支援を打ち切り、アメリカを再生させるために南北アメリカ大陸を網羅した大規模な統治手法を発揮しています。ある意味、アメリカ大陸に絞った「鎖国政策」であり、日本政府は完全に見捨てられた状態に置かれています。
「石破首相は中国の位置づけが不透明」日本外交専門家が指摘 石破政権は中国に「関与とヘッジ」戦略で臨め
 (出典:2025年1月14日 Yahooニュース)
つまり、「対米従属」をモットーにしてきた日本政府や経団連(大企業)、そして各自治体は何もかも自分たちで判断しなければならなくなります。しかし、在日米軍やCIAの命令や指示に従うだけで何も考えてこなかった政治家や官僚が対応できるわけがありません。
アメリカの属国である日本は、これまで既得権益者だけがおこぼれを貰って利益を得ていましたが、これからはそうもいかなくなると思います。だから、もともと親中派である石破政権は急激に中国との距離を縮めているわけです。
トランプ政権は意図的に日本を突き放し、中国経済圏の傘下に入るように促している面もありますが、中国やロシアがアメリカ大陸の利権を手放し、縄張りを棲み分けすることでお互いの国益を尊重する方向に向かわせているのかもしれません。
例えば、トランプ政権は中国の台湾進出を抑止しようとせず、中国と日本、韓国の関係性を当事者に任せているような雰囲気を漂わせています。日本の主要メディアは、相変わらず日米の軍事力強化ばかりを報道していますが、中国に台湾侵攻の意図は全く感じられません。
結局、トランプが実現したいのは世界を「ブロック経済」にすることで、中国やロシアにユーラシア大陸の統治を譲る形で第三次世界大戦を回避したい思惑があるように思います。簡単に言えば、どの国もケンカせずに仲良くしていくということです。
米上院 国防長官に指名のヘグセス氏承認 与党一部からも疑問視
 (出典:2025年1月25日 NHK NEWS WEB)
国防総省(米軍)の愛国者たちが2015年にトランプを担ぎ上げ、もう10年近くアメリカ大統領に据えているのは軍事政権下だからです。要するに、トランプ政権にとって最も重要なの国防省であり、ようやくピート・ヘグセス国防長官が承認されました。
トランプ氏、コルビー氏を国防次官に起用へ 日本に防衛費増額要求も
 (出典:2024年12月23日 朝日新聞)
しかし、へグセスは安全保障のエキスパートではなく、外交政策の専門家として期待されています。そして、エルブリッジ・コルビー国防次官に安全保障を担当させる気です。コルビーは、日本に対して防衛力の強化を迫っており、アメリカ依存から脱却させるつもりです。
コルビーは、アメリカ同時多発テロ事件をきっかけに、当時のブッシュ政権(ネオコン)が軍産複合体を儲けさせるためにアフガニスタンやイラクに侵攻したことは間違いであった、と考えています。
なぜかと言えば、その結果としてアルカイダやISなどのテロ組織が侵入し、イラクやシリアは内戦状態になったからです。実は、まだネオコン自体は生き残っており、ウクライナ戦争を継続させるように主張しています。
「トランプ勝利」が“第三次世界大戦”を食い止める? 波乱を呼ぶ大統領は「今そこにある世界の危機」にどう対峙するか
 (出典:2024年11月9日 Yahooニュース)
現在、イスラエルと武装組織ヒズボラ(レバノン)やハマス(パレスチナ)が停戦に合意していますが、いつ停戦合意が破られてもおかしくないようです。ネオコンの本当目的はイランや中国との戦争ですが、トランプが抑え込める保証はどこにもありません。
もしイスラエルとイランが全面戦争になったとしても、軍事力を強化したイランにイスラエルが勝てる見込みはありません。また、ウクライナ戦争でロシアとの戦争を回避したアメリカが、中国と戦争する意欲はないと思います。
実際に、世界中の米軍基地に駐屯している米軍兵士たちが、中東や東アジアの戦争に参加したいとは全く思っていません。彼らの親もアメリカが参戦するのには反対であり、誰も戦争を望んでいないということです。
このことを知らないネオコンや軍産複合体は、アメリカが世界覇権を維持することをトランプに押しつけ、戦争で儲けるビジネスモデルを継続させたい一心で世界を核戦争に追いやろうとしているわけです。
今のところ、トランプのディール(外交交渉・取引)の手法は功を奏しており、合意しない国には高関税を課す脅しで何とか押し通しています。それに対して、日本の石破政権では国益を確保できず、これから食糧危機が襲ってくるのは間違いありません。
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