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【新型コロナ】健康な若者が命を落とすのはなぜ？手がかりの「サイトカインストーム」とは
(出典：2020年4月9日 COURRIER）
最近、新型コロナウイルスでは新たな症状が発見されており、それが胃腸や脳に与える影響です。感染症の場合、基礎疾患のない人が急激に症状を悪化させてしまう現象の1つに「サイトカインストーム」という体内物質現象があります。
ウイルスなど外敵が体内に侵入して来た時、白血球が攻撃開始を告げるサインが「サイトカイン」といわれるタンパク質の分泌です。これによって、身体の細胞は白血球を活性化し、体温を上げてウイルスの増殖を抑えたり、咳や鼻水が出るという反応を起こすわけです。
ところが、サイトカインの分泌は、反応が強すぎて自身の身体に大きなダメージを受けることがあるようです。それが「サイトカインストーム」と呼ばれており、一部の人間に限られている反応です。
実は、インフルエンザやエボラ出血熱などの感染症でも、「サイトカインストーム」で重症化したり、命を落とすことが知られています。今回も「サイトカインストーム」が起こるケースが確認されており、胃腸や脳に大きなダメージを与える症例があります。
新型コロナ「58歳女性の脳が壊死」米ミシガン州で世界初
(出典：2020年4月2日 Hazard lab）
アメリカの医療研究誌「放射線ジャーナル」の最新号に掲載されたヘンリーフォード病院の放射線科に勤務するグリフィス医師の論文によれば、新型コロナウイルスの感染で起こった「サイトカインストーム」により、脳出血が起こるケースが確認されているようです。
これが起こると、脳症による脳の腫れが起き、脳細胞の一部が壊死するとされています。すでにこうした症状の患者は、アメリカのみならずイタリアでも発見されていることがメディアなどで報じられています。
肺炎であれば人工呼吸器の装着によって助かるケースもありますが、脳が損傷を受けた場合は手の打ちようがないというわけです。さらに、重症化の兆候となる可能性のある激しい胃腸障害の症状も報告されています。
新型コロナウイルス感染で重症化した場合、一般的な症状は重度の肺炎ですが、喉から肺の奥まで炎症が発生し、呼吸不全から死に至るわけです。3月には、心疾患や腎臓疾患を突然引き起こすケースも確認されています。
新型コロナウイルスは消化不良を引き起こす＝研究者ら
(出典：2020年3月19日 SPUTNIK）
そして、「南京医科大学」の感染症研究チームが、約1300人の感染者を調査した結果、約80人の重症患者に重度の胃腸障害があったことが報告されています。「アメリカ消化器病学会誌」と「胃腸病学および肝臓学誌」も発表しています。
実際に、ストレスやショック、そして炎症など様々な原因で胃腸障害は発生しています。新型コロナウイルスの感染とは、一概に結び付けることはできませんが、実際に胃腸に入ったウイルスが障害を引き起こした可能性があると思われます。
また、胃腸障害を持つ患者が敗血症を発症し、これが引き金となり死亡するケースも見られたようです。
このように、胃腸障害が新型コロナウイルスの感染で患者が重症化するかどうかの予兆にもなり得る可能性があり、ネット上にある未査読の論文の執筆者は、激しい胃腸障害の症状を見逃さないようにすべきと警告しています。
今回の情報で、心配なのは感染者の咳やくしゃみから出るマイクロ飛沫が4メートルも飛び、空気中に数時間漂うという研究結果です。
いずれにしても、もし浅い呼吸や咳が止まらなくなった時に意識障害が始まったなら、すぐに病院に行って医師に相談する必要があるかもしれません。
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2020年4月18日
